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領収書の電子保存のやり方|電帳法のスキャナ保存と取引データ保存

更新:2026年6月18日7分で読めます電子帳簿保存ソフト

領収書を電子保存したいけれど、何から手をつければよいか分からない。そんな声をよく耳にします。電子帳簿保存法のもとでは、領収書の保存方法は「紙でもらった領収書をスキャンする」場合と「最初からデータで受け取った領収書」とで扱いが分かれます。この違いを押さえずに進めると、せっかくデータ化しても要件を満たさず保存し直し、ということになりかねません。本記事では、領収書を電子保存する2つの方法と要件、スマホ撮影での取り込み手順、紙原本の扱いまでを、経理担当者・個人事業主の方に向けてやさしく整理します。

本記事は一般的な情報を分かりやすくまとめたものです。保存要件や制度の取扱いは改正・通達によって変わる場合があり、個別の判断は事情によって異なります。具体的な対応にあたっては、必ず顧問税理士または所轄の税務署にご確認いただき、正確な要件は国税庁の公式情報をご参照ください。

領収書の電子保存には2つの方法がある

まず最初に押さえたいのは、領収書の電子保存は1種類ではない、ということです。電子帳簿保存法には領収書に関係する保存区分が2つあり、どちらに当たるかで満たすべき要件が変わります。

ひとつ目は「スキャナ保存」です。これは、紙でもらった領収書をスキャナやスマホのカメラで読み取り、画像データとして保存する方法を指します。たとえば店舗でレジから受け取った紙の領収書、郵送で届いた請求書に同封された領収書などが対象です。

ふたつ目は「電子取引データ保存」です。こちらは、最初からデータの形で受け取った領収書をデータのまま保存する方法です。たとえばネット通販の購入完了画面からダウンロードしたPDF領収書、メールに添付されて届いた領収書、経費精算アプリで発行された電子領収書などが該当します。経費精算の効率化を検討するなら経費精算システムのデメリットと選び方も参考になります。

この2つの最大の違いは、スキャナ保存が任意であるのに対し、電子で受け取ったデータは原則としてデータのまま保存することが必要とされている点です。つまり、Webやメールで届いた領収書を印刷して紙だけで保管する運用は、現在は基本的に認められていません。区分ごとの整理は電子帳簿保存法 完全ガイド【2026年版】もあわせてご確認ください。

区分対象になる領収書対応の位置づけ主な要件のポイント
スキャナ保存紙でもらった領収書をスキャン・撮影任意(紙保存も可)解像度・タイムスタンプ・検索性など
電子取引データ保存メールやWebで受け取ったデータ原則として必要真実性の確保・検索性の確保

スキャナ保存の要件をやさしく整理

紙の領収書をスキャンして電子保存する場合、いくつかの要件を満たす必要があります。難しく見えますが、ねらいは「画像がきれいに読めること」と「あとから改ざんされていないこと」の2点に集約されます。

ひとつは画像の品質です。一般に、解像度はおおむね200dpi以上、カラー(赤・緑・青それぞれ256階調以上)で読み取ることが求められます。スマホの標準的なカメラであれば、明るい場所で領収書全体がはっきり写るよう撮れば、この水準は満たしやすいでしょう。

もうひとつは、いつ・誰が・どう扱ったかを後から確認できる仕組みです。具体的には、入力期間の制限(受領後おおむね定められた期間内に保存する)、タイムスタンプの付与または訂正・削除の履歴が残るシステムの利用、そして「取引年月日・取引金額・取引先」で検索できる状態にすることが挙げられます。タイムスタンプとは、その時刻にデータが存在したことを証明する電子的な記録のことです。これらの要件の詳しい解説はスキャナ保存のやり方と実務で整理しています。

ここで注意したいのは、要件の細部は改正で変わってきた経緯があるという点です。dpiの基準や事務処理の期間などは、必ず国税庁の最新情報で確認するようにしてください。

電子取引データ保存の要件

メールやWebで受け取った領収書は、データのまま保存します。このときに求められるのが「真実性の確保」と「可視性(検索性)の確保」です。

真実性の確保とは、受け取ったデータが勝手に書き換えられない状態にすることです。方法としては、タイムスタンプの付与、訂正・削除の履歴が残るシステムでの保存、または「正当な理由のない訂正・削除を防止する事務処理規程」を定めて運用する、といった選択肢があります。中小企業や個人事業主の場合、国税庁が公開している事務処理規程のひな形を使う方法が現実的でしょう。

可視性の確保とは、税務調査などの際に必要な領収書をすぐ取り出せるようにしておくことです。こちらも「取引年月日・取引金額・取引先」の3項目で検索できる状態が基本とされています。手間をかけずに整える簡単な方法は、保存するファイル名を統一することです。たとえば「20260618_3300_〇〇商店.pdf」のように日付・金額・取引先を入れておけば、フォルダ内の検索だけでも目的の領収書にたどり着きやすくなります。

スマホ撮影で領収書を電子保存する手順

ここからは、紙の領収書をスマホで撮影してスキャナ保存する流れを、番号付きで具体的に見ていきます。会計ソフトのアプリを使う前提で説明します。

  1. 受け取った紙の領収書を、明るい場所で平らに置きます。折れや影があると読み取りにくいため、しわは伸ばしておきます。
  2. 会計ソフトや経費精算アプリの撮影機能を起動し、領収書全体が枠内に収まるように撮影します。金額・日付・取引先・但し書きが鮮明に写っているか確認します。
  3. アプリ側で取引年月日・取引金額・取引先を入力(または自動読み取り結果を確認)します。ここが検索性の確保につながる大切な工程です。
  4. アプリがタイムスタンプの付与、または訂正・削除履歴の残る形で保存してくれることを確認します。要件対応をうたうソフトなら、この処理は自動で行われるのが一般的です。
  5. 保存した経費を会計帳簿の取引と紐付けます。これで「領収書の画像」と「帳簿の記録」がつながり、後から見返しやすくなります。

この一連の流れを自動化したい場合、たとえばfreeeの無料プランや機能を試してみるのも選択肢のひとつです。freeeにはファイルボックスと呼ばれる機能があり、撮影した領収書をアップロードして取引と紐付けたり、データを保存したりできます。要件対応の負担を一括で軽くしたい方は、こうしたソフトの活用を検討するとよいでしょう。

領収書の紙原本はどう扱う?

電子保存したあと、もとの紙の領収書をどうするかは多くの方が迷うポイントです。結論から言うと、スキャナ保存の要件をきちんと満たしていれば、保存後に紙原本を廃棄できるとされています。これがペーパーレス化の大きなメリットです。

ただし、廃棄してよいのは要件を満たした保存が完了した後です。解像度が足りない、検索項目を入力していない、といった状態で原本を捨ててしまうと、保存義務を果たせていないと判断されるおそれがあります。心配な場合は、運用に慣れるまで一定期間は原本を併存させ、保存状況に問題がないことを確認してから廃棄に進むと安心です。

なお、最初からデータで受け取った電子取引の領収書には、そもそも紙の原本が存在しません。この場合は受け取ったデータ自体を保存対象として扱うことになります。どのソフトなら要件を満たしやすいか迷う場合は電帳法対応の会計ソフトの選び方も参考になります。具体的な廃棄の判断は、必ず税理士や国税庁に確認することをおすすめします。

よくある質問

スマホで撮影した領収書だけでも電子保存として認められますか?

撮影画像が解像度などの要件を満たし、検索できる形で保存され、タイムスタンプの付与や訂正・削除履歴が残る仕組みで管理されていれば、スキャナ保存として扱える方向で運用されています。ただし要件の詳細は改正されることがあるため、最新の基準は国税庁でご確認ください。

メールでもらったPDF領収書を印刷して紙で保管してもよいですか?

電子で受け取った領収書は、原則としてデータのまま保存することが必要とされています。印刷した紙だけを残してデータを破棄する運用は基本的に認められていません。データを保存したうえで、必要に応じて紙を補助的に使う形が無難です。

領収書を電子保存すると、紙の原本はすぐ捨ててよいですか?

スキャナ保存の要件を満たして保存が完了していれば、原本を廃棄できるとされています。ただし保存内容に不備がないことの確認が前提です。運用に不安がある間は原本を一定期間残し、問題がないと確認できてから廃棄するのが安全です。

専用ソフトを使わずに電子保存はできますか?

ファイル名の統一や事務処理規程の整備など、手作業でも一定の対応は可能です。ただし件数が増えると検索性や履歴管理の手間が大きくなります。負担を抑えたい場合は、要件対応をうたう会計ソフトの活用を検討するとよいでしょう。

まとめ

  • 領収書の電子保存は「スキャナ保存(紙をデータ化)」と「電子取引データ保存(最初からデータ)」の2区分に分かれます。
  • スキャナ保存では解像度・タイムスタンプ・検索性などが、電子取引データ保存では真実性と検索性の確保が求められます。
  • 検索性は「取引年月日・取引金額・取引先」が基本で、ファイル名の統一が手軽な第一歩です。
  • スマホ撮影なら、撮影→検索項目の入力→タイムスタンプ付き保存→取引との紐付け、の順で進めると整理しやすくなります。
  • スキャナ保存の要件を満たせば紙原本は廃棄できますが、保存完了の確認が前提です。
  • 要件の細部は改正されることがあるため、最終的な判断は国税庁の公式情報と顧問税理士への確認を前提にしてください。

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