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電子帳簿保存法に対応した会計ソフトの選び方|電帳法対応の必須機能と比較
電子帳簿保存法に対応した会計ソフトは、もう「あれば便利」ではなく「ないと困る」存在へ
2024年1月から、メールやインターネットでやり取りした請求書・領収書などの電子取引データは、原則としてデータのまま保存することが全事業者に義務づけられました。これまで「印刷して紙でファイリング」していた中小企業や個人事業主・フリーランスにとって、対応は待ったなしです。そこで頼りになるのが、電子帳簿保存法(電帳法)に対応した会計ソフトです。この記事では、電帳法の全体像を整理したうえで、ソフト選びで本当に確認すべき機能と、主要サービスの対応傾向を中立の立場で解説します。
本記事は2026年6月時点の一般的な情報をもとに、わかりやすさを優先してまとめています。電子帳簿保存法の要件や各社の機能・料金は改正・改定される場合があります。最終的な判断は、必ず国税庁の特設サイトや各サービスの公式サイト、顧問税理士などの専門家にご確認ください。
まず押さえる、電帳法の3つの区分
電子帳簿保存法は、ひとくくりに語られがちですが、実際には性質の異なる3つの区分に分かれています。自社がどれに該当するかを整理すると、必要な機能が見えてきます。
ひとつ目は「電子取引データ保存」です。メール添付のPDF請求書、ネット通販の領収書、クラウド請求サービスで受け取ったデータなど、最初から電子でやり取りした取引情報が対象です。ここだけは紙保存が原則認められず、すべての事業者に義務として課されています。3区分の中で最優先で対応すべき部分です。
ふたつ目は「スキャナ保存」です。紙で受け取った請求書や領収書をスキャナやスマホで読み取り、画像データとして保存する制度で、こちらは任意です。詳しい要件はスキャナ保存の要件と進め方を解説した記事で整理していますので、紙書類のペーパーレス化まで踏み込みたい方は参考にしてください。
3つ目は「電子帳簿等保存」です。会計ソフトで作成した仕訳帳や総勘定元帳などを、紙に印刷せずデータのまま保存する制度で、これも任意です。一定の要件を満たす「優良な電子帳簿」として保存すると、後から誤りが見つかった際の過少申告加算税が軽減されるなどのメリットがあります。
3区分の全体像をもう少し丁寧に知りたい方は、電子帳簿保存法の基本をまとめた解説記事から読み始めると理解がスムーズです。
ソフト選びで確認すべき3つの機能
電帳法対応をうたうソフトは増えていますが、「対応」と書いてあるだけで安心するのは禁物です。とくに義務である電子取引データ保存を満たすために、次の3点は必ず確認しましょう。
検索要件を満たせるか
保存したデータは、税務調査の際にすぐ取り出せる状態にしておく必要があります。具体的には「取引年月日」「取引金額」「取引先」の3項目で検索できることが求められます。会計ソフトを使う最大のメリットは、この検索要件を自動的に満たしやすい点にあります。手作業でフォルダ名やファイル名にルールを決めて管理する方法もありますが、件数が増えると破綻しがちです。なお、判定期間の売上高が5,000万円以下などの小規模事業者は、ダウンロードの求めに応じられれば検索機能そのものが不要になる緩和もありますが、対象や条件は変わり得るため公式情報で確認してください。
タイムスタンプか、改ざん防止の仕組みがあるか
電子取引データは「本物であること(真実性)」を担保する措置が必要です。方法は主に、第三者が時刻を証明するタイムスタンプを付与する方式と、訂正・削除の履歴が自動で残るシステムで保存する方式の2つです。クラウド会計ソフトの多くは後者を採用し、アップロードしたデータの修正履歴を自動で記録します。どちらの方式で要件を満たすのか、ソフトの仕様を確認しておきましょう。
改ざん防止と事務処理規程の扱い
システムで真実性を担保できない場合は、「訂正削除の防止に関する事務処理規程」を自社で定めて運用する方法もあります。会計ソフトを導入していても、運用ルールの整備とセットで考えると安心です。規程のひな形は国税庁が公開しているため、自作の負担も大きくありません。
対応製品の傾向を比較
主要なクラウド会計ソフトは、いずれも電子取引データ保存への対応をうたっています。傾向を整理すると次のとおりです。あくまで一般的な傾向であり、プランや製品形態(クラウド型・インストール型)によって対応範囲は変わるため、最終確認は公式サイトで行ってください。
| サービス | 真実性確保の方式の傾向 | 検索要件への対応 | 向いている層 |
|---|---|---|---|
| freee会計 | 訂正・削除履歴の記録で対応する傾向 | 取引情報の入力で自動的に検索可能にしやすい | 経理を効率化したい中小企業・個人 |
| マネーフォワード クラウド | 関連サービスとの連携でタイムスタンプや履歴管理に対応する傾向 | 受領データの自動取り込みと検索に強み | 請求・経費まで幅広く揃えたい事業者 |
| 弥生 | 製品形態により対応範囲が異なる傾向 | 製品により対応 | 従来から弥生を使う事業者・会計事務所連携 |
機能の細かな違いよりも、まずは「自社の取引量と運用に合うか」で選ぶのが失敗しないコツです。複数の製品をもう少し横断的に見比べたい場合は、会計ソフトの総合比較記事で料金やサポート面まで含めて検討するとよいでしょう。
そのうえで、電帳法対応を具体的に確かめたい方は、各社が公式に対応内容を公開しています。たとえばfreeeの電帳法対応を公式で確認する、マネーフォワードの対応範囲を見てみる、弥生の電帳法対応を確認するといった形で、無料プランやお試し期間を活用しながら実際の使い勝手を試すのが堅実です。経費精算を含めて電子取引データの受領まで一気通貫で整えたい場合は、経費・請求まわりも含めて検討する入口から確認すると全体像がつかみやすくなります。
よくある質問
個人事業主やフリーランスも電子帳簿保存法に対応しないといけませんか。
はい。電子取引データ保存の義務は、法人・個人を問わずすべての事業者が対象です。売上規模が小さくても、ネット通販の領収書やメールで受け取った請求書がひとつでもあれば対応が必要になります。ただし規模に応じた緩和や猶予の仕組みもあるため、まずは自社の取引を洗い出してみましょう。
会計ソフトを入れずに、紙に印刷して保存し続けてはダメですか。
電子取引データについては、紙への出力保存だけでは原則として要件を満たせません。一方で、システム整備が間に合わないなど「相当の理由」がある場合に、データ保存とダウンロードの求めへの対応を条件とした猶予措置も設けられています。とはいえ恒久的な解決にはならないため、早めにソフト導入を検討するのが安全です。
無料の会計ソフトでも電帳法に対応できますか。
無料プランや低価格プランでも電子取引データ保存に対応できる製品はあります。ただし、保存できる件数や連携できるサービスの範囲に制限がある場合があります。取引量が増えてきたら有料プランへの移行も視野に入れ、まずは無料の範囲で操作感を確かめるのが現実的です。
結局、自社が満たすべき要件はどう確認すればよいですか。
要件は事業規模や保存方法によって細かく変わります。本記事は概要の理解を助けるものですので、正確な要件は国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイトで最新情報を確認し、判断に迷う場合は顧問税理士へ相談してください。
まとめ
- 電子帳簿保存法は「電子取引」「スキャナ保存」「電子帳簿等」の3区分に分かれ、電子取引データ保存だけは全事業者の義務です。
- ソフト選びでは「検索要件(取引年月日・金額・取引先)」「タイムスタンプまたは訂正削除履歴」「改ざん防止と事務処理規程」の3点を必ず確認しましょう。
- freee・マネーフォワード・弥生はいずれも電帳法対応をうたいますが、プランや製品形態で対応範囲が異なるため公式確認が必須です。
- まずは無料プランやお試し期間で、自社の取引量と運用に合うかを実際に試すのが失敗しない近道です。
- 制度の要件は改正されることがあるため、最終判断は国税庁の特設サイトと公式サイト、税理士などの専門家への確認を前提にしてください。
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経理コンパス編集部
業務系SaaS(会計・勤怠・CRM)の利用・導入支援の経験/不動産業界での実務経験
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