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医療費控除のやり方|対象になる費用と確定申告での申請手順

更新:2026年6月18日7分で読めます会計ソフト

1年間に支払った医療費が一定額を超えると、確定申告をすることで税金の負担を軽くできる場合があります。これが医療費控除です。会社員でも個人事業主でも使える制度ですが、「いくらから対象になるのか」「何が医療費に含まれるのか」「申告で何を書けばいいのか」が分かりにくく、毎年迷う方が少なくありません。この記事では、医療費控除のやり方を基準額の考え方から対象になる費用、確定申告での具体的な手順までできるだけ平易に整理します。経理担当の方や個人事業主・フリーランスの方が、自分や家族の医療費を正しく申告できるようになることをめざします。

本記事は医療費控除の全体像を理解していただくための一般的な情報です。控除額の計算方法・対象範囲・申告期限などの具体的な数値や条件は、税制改正によって変わることがあります。最新かつ正確な情報は必ず国税庁の公式サイトでご確認いただき、ご自身の状況に応じた判断は税理士などの専門家へご相談ください。

医療費控除とは|基準額の考え方

医療費控除とは、1年間(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費が一定の基準額を超えた場合に、その超えた部分を所得から差し引ける制度です。所得が圧縮されることで、所得税や住民税の負担が軽くなる仕組みです。

ポイントは、支払った医療費の全額が戻ってくるわけではない、という点です。あくまで「課税の対象となる所得」から差し引かれるだけなので、実際に軽減される税額は本人の税率によって変わります。控除額そのものは、おおむね次の考え方で計算します。

  • 1年間に支払った医療費の合計
  • そこから保険金などで補てんされた金額を差し引く
  • さらに一定の基準額(多くの方は10万円が目安ですが、所得が少ない場合はそれより低い基準が使われます)を差し引く

つまり「支払った医療費 − 補てん額 − 基準額」が控除の対象になるイメージです。生命保険の入院給付金や高額療養費などで戻ってきたお金は、対象となった医療費から必ず差し引く必要があります。基準額や上限額の具体的な数字は改定されることがあるため、計算の前に国税庁の最新の案内を確認してください。

医療費は、本人だけでなく「生計を一にする家族」の分も合算できます。共働きでも、まとめて1人が申告した方が有利になる場合があるため、家族全体で誰が申告するかを考えるとよいでしょう。

医療費控除の対象になる費用・ならない費用

医療費控除でつまずきやすいのが、「何が対象になるのか」という線引きです。基本的な考え方は、治療や療養のために必要だった支出かどうかです。美容や予防、健康増進が目的の支出は、原則として対象になりません。

区分対象になりやすいもの対象になりにくいもの
診療・治療病気やケガの診察・治療費、入院費健康診断・人間ドック(異常がなく治療につながらない場合)
医薬品治療のために購入した市販薬・処方薬健康増進や予防目的のサプリメント・ビタミン剤
歯科虫歯治療、治療目的の歯列矯正見た目を整える目的の審美治療
通院・移動公共交通機関での通院交通費自家用車のガソリン代・駐車場代、自己都合のタクシー代
その他治療に必要な松葉づえ・補聴器など通常のメガネ・コンタクトレンズ

判断に迷うものも多く、同じ項目でも「治療が目的か」によって扱いが分かれます。たとえば歯列矯正やレーシックも、治療上の必要性があるかどうかで結論が変わります。個別のケースは断定が難しいため、判断に迷う支出は国税庁の案内や税理士に確認するのが安全です。なお、領収書やレシートは申告の根拠として一定期間の保存が求められるので、捨てずにまとめておきましょう。

セルフメディケーション税制との選択

医療費控除には、市販薬の購入に注目した「セルフメディケーション税制」という特例もあります。これは、特定の成分を含む市販薬(対象商品にはマークが付いていることが多い)を一定額より多く購入した場合に、その超えた分を所得から差し引ける制度です。健康診断や予防接種など、健康管理への取り組みをしていることが利用の前提になります。

重要なのは、通常の医療費控除とセルフメディケーション税制は、どちらか一方しか選べないという点です。両方を同時に使うことはできません。

  • 入院や手術など大きな医療費がかかった年 → 通常の医療費控除が有利になりやすい
  • 大きな医療費はないが市販薬の購入が多い年 → セルフメディケーション税制が有利になりやすい

どちらを選ぶかは、その年の支出内容によって変わります。両方の控除額を試算して、有利な方を選ぶのが基本です。後述する会計ソフトや国税庁のツールを使うと、入力した金額からどちらが有利かを比べやすくなります。適用要件や対象商品の範囲は変わることがあるため、国税庁で最新の条件をご確認ください。

医療費控除の明細書を作る

現在の医療費控除では、領収書を1枚ずつ提出するのではなく、「医療費控除の明細書」にまとめて記入する方式が基本です。領収書そのものは提出せず、自宅で一定期間保存しておきます。明細書には、おおむね次の内容を記載します。

  • 医療を受けた人の氏名
  • 病院・薬局など支払先の名称
  • 医療費の区分(診療・治療、医薬品、介護など)
  • 支払った医療費の金額
  • 保険金などで補てんされた金額

健康保険組合などから届く「医療費のお知らせ(医療費通知)」を使うと、明細書の記入を一部省略できる場合があります。1年分の領収書を手作業で集計するのは負担が大きいので、こうした通知を活用すると入力の手間を減らせます。

確定申告での申請手順

ここからは、実際に医療費控除を申告する流れを手順で整理します。会社員で給与以外に申告すべき所得がない方も、医療費控除を受けるには確定申告(または還付申告)が必要です。

  1. 1年間の領収書・レシート、医療費のお知らせを集め、医療を受けた人ごと・支払先ごとに分類する
  2. 保険金や高額療養費などで補てんされた金額を確認し、対象から差し引く準備をする
  3. 通常の医療費控除とセルフメディケーション税制のどちらが有利かを試算して選ぶ
  4. 「医療費控除の明細書」に金額をまとめて記入する
  5. 確定申告書の医療費控除欄に、計算した控除額を転記する
  6. 給与所得者は源泉徴収票、その他の所得がある方は収入や経費の資料を用意する
  7. e-Taxまたは郵送・窓口で申告書を提出し、還付がある場合は振込先口座を記入する
  8. 提出後も領収書や明細の根拠資料を、定められた期間保存しておく

確定申告そのものの全体像が不安な方は、先に個人事業主の確定申告のやり方で基本の流れを押さえておくと、医療費控除の位置づけが分かりやすくなります。

会計ソフトで医療費控除を反映する

医療費控除でつまずく原因の多くは、領収書の集計と明細書への転記、そして「どちらの制度が有利か」の判断です。ここは会計ソフトや確定申告ソフトの得意分野で、金額を入力していくと控除額の計算や申告書への反映を自動で進めてくれます。

たとえばfreeeで医療費控除を反映した申告書を作る流れでは、画面の案内に沿って医療費を入力していくと、明細と申告書への転記まで一気通貫で進められます。家計の支出と切り分けて医療費だけ集計したい方にも扱いやすい設計です。マネーフォワードを使っている方は、マネーフォワードで控除を反映した確定申告書を作成することもでき、銀行やクレジットカードの明細と連携しながら医療費を拾い上げられます。どちらも入力した内容から有利な制度を比べやすく、計算ミスを防ぎやすいのが利点です。

個人事業主やフリーランスの方は、医療費控除だけでなく社会保険料控除や各種の経費とあわせて申告全体を最適化することが大切です。控除や保険の扱いを広く確認したい方はフリーランスの社会保険と税金、節税の打ち手を整理したい方は個人事業主の節税まとめもあわせて読むと、医療費控除を含めた全体像をつかみやすくなります。料金やプランの詳細、キャンペーンの有無は変わることがあるため、最新の内容は各サービスの公式サイトでご確認ください。

よくある質問

医療費控除は確定申告をしないと受けられませんか。

はい、原則として確定申告(払いすぎた税金を取り戻す還付申告を含む)が必要です。会社員で年末調整を受けている方も、医療費控除は年末調整では処理されないため、別途申告する必要があります。

家族の医療費もまとめて申告できますか。

生計を一にする家族の医療費であれば、合算して1人が申告できます。誰が申告するかで軽減される税額が変わることがあるため、家族の中で所得の状況を見ながら申告者を選ぶとよいでしょう。

領収書は提出する必要がありますか。

現在は「医療費控除の明細書」にまとめて記入する方式が基本で、領収書そのものは提出せず自宅で保存します。後から確認を求められることがあるため、定められた期間は捨てずに保管してください。

通常の医療費控除とセルフメディケーション税制は両方使えますか。

両方を同時に使うことはできず、どちらか一方を選びます。その年の医療費の内容によって有利な方が変わるため、両方を試算して比較するのがおすすめです。

まとめ

  • 医療費控除は、1年間の医療費が基準額を超えた部分を所得から差し引ける制度で、税負担の軽減につながる
  • 対象になるのは治療・療養に必要な支出が中心で、予防・美容・健康増進が目的のものは原則対象外
  • 通常の医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できず、その年に有利な方を選ぶ
  • 申告では「医療費控除の明細書」に金額をまとめ、確定申告書へ転記して提出する
  • 領収書の集計や有利判定、申告書への反映は会計ソフトを使うと負担を減らしやすく、最新の制度や料金は公式サイトと国税庁で確認するのが安心

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業務系SaaS(会計・勤怠・CRM)の利用・導入支援の経験/不動産業界での実務経験

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