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副業の帳簿・経理のつけ方|会社員が収支を管理し確定申告に備える方法
副業を始めると、確定申告の前に「日々の収支をどう記録しておくか」という壁にぶつかります。副業の帳簿づけは、難しい簿記の知識がなくても、収入と経費を漏れなく残すという基本さえ押さえれば誰でも始められます。一方で、本業の給与と混ざってしまうと後から整理するのが大変になり、確定申告の直前に慌てる原因にもなります。本記事では、会社員が副業の帳簿・経理をどうつけ、本業と分けて管理し、確定申告に備えるかを、初めての方にもわかるように整理します。
本記事は2026年6月時点の公開情報をもとにした一般的な解説です。税制の要件・金額や各サービスの料金は法改正・改定で変わる場合があるため、必ず国税庁および各サービスの公式サイトで最新情報をご確認ください。個別の税務判断は税理士などの専門家にご相談ください。
副業に帳簿が必要になるのはどんなとき?
「副業の収入は少しだから帳簿なんていらないのでは」と感じる方は少なくありません。しかし、帳簿づけが必要かどうかは収入の多寡だけでは決まらず、その副業の所得区分によって扱いが変わります。
副業の儲けは、内容や実態に応じて主に「雑所得」か「事業所得」に分類されます。継続性や反復性があり事業として相応の規模で行うものは事業所得、ライティングやせどり、ハンドメイド販売など小規模なものはまず雑所得に該当しやすいとされています。
帳簿づけとの関係で押さえておきたいのは次の点です。事業所得として申告する場合や、雑所得でも一定規模を超える場合には、帳簿書類の作成・保存が求められることがあります。とくに事業所得で青色申告(一定の帳簿付けを条件に税制上の特典がある申告方法)を選ぶなら、複式簿記による記帳が前提になります。逆に、小規模な雑所得であっても、確定申告で正しい所得を計算するには結局「いくら稼いで、いくら使ったか」の記録が欠かせません。
つまり、所得区分が何であれ、副業を始めた時点で収支の記録を残しておくのが安全だということです。所得区分の判定や青色申告の詳細は、副業の確定申告はいくらから必要かもあわせて確認してください。
収入と経費の記録方法の基本
帳簿づけの中身は、突き詰めれば「収入の記録」と「経費の記録」の2つです。最初から完璧を目指さず、次の項目を漏れなく残すことから始めましょう。
収入については、いつ・誰から・いくら入金されたかを記録します。クラウドソーシングやアフィリエイトなら管理画面の支払明細、報酬振込なら通帳の入金履歴、現金売上ならその都度メモを残します。源泉徴収されている報酬は、振込額ではなく源泉徴収前の金額(額面)が収入になる点に注意してください。
経費については、副業の収入を得るために直接必要だった支出を記録します。代表的なものは次のとおりです。
- 仕入代金・材料費(せどり・ハンドメイドなど)
- 副業用に購入した機材・ソフトウェアの費用
- 取材や打ち合わせの交通費
- 副業に関する書籍代・セミナー参加費
- 自宅の家賃・電気代・通信費のうち副業に使った割合分(家事按分)
ここで重要なのが「家事按分」の考え方です。プライベートと副業の両方で使っている支出は、副業に使った割合分だけを経費にできる場合があります。自宅の一室を作業に使っているなら、面積や使用時間などの合理的な基準で割合を決めます。按分割合に明確な法定基準はないため、実態に即した説明ができることが前提です。
そして共通して大切なのが、領収書・レシート・取引明細を必ず保存することです。経費は「説明できること」が前提であり、記録のない支出は経費として認められにくくなります。経費の具体的な線引きに迷ったら、個人事業主の経理のやり方も参考になります。
20万円ルールと帳簿の関係
副業の話で必ず出てくるのが「副業所得が20万円以下なら確定申告が不要になる場合がある」という、いわゆる20万円ルールです。ここで誤解しやすいのが、この基準は「収入」ではなく経費を差し引いた「所得」で判定されるという点です。
これはまさに帳簿が効いてくる場面です。経費をきちんと記録していれば、所得が20万円以下に収まるかどうかを正確に判断できます。記録がないと、振込額だけを見て「20万円を超えたから申告が必要」と思い込んだり、逆に申告が必要なのに気づかなかったりといったミスにつながります。
また、20万円ルールはあくまで所得税の確定申告に関する取り扱いで、住民税には同じ仕組みがありません。副業所得が20万円以下でも住民税の申告が別途必要になる場合があり、その際にも収支の記録は使えます。判定基準の詳しい解説は副業の確定申告はいくらから必要かで扱っています。
会計ソフトで本業と副業を分けて管理するコツ
帳簿づけで会社員がつまずきやすいのが、本業の給与口座やプライベートの支出と副業の収支が混ざってしまうことです。これを防ぐコツを手順で整理します。
- 副業専用の銀行口座とクレジットカードを用意する。報酬の受け取りと経費の支払いを副業用にまとめると、お金の流れが一本化され、記録が一気に楽になります。
- 会計ソフトに副業用の口座・カードだけを連携する。本業の給与口座は連携せず、副業に関わる取引だけが自動で取り込まれるようにします。
- 連携で取り込まれた取引を勘定科目に振り分ける。多くのクラウド会計ソフトは過去の処理を学習して候補を提示してくれるため、簿記の知識がなくても進められます。
- 月に一度、記帳の漏れと残高を確認する。1か月ためてまとめて確認する習慣にすると、確定申告の直前に慌てずに済みます。
主要な会計ソフトとしては、自動仕訳の精度に定評があり初心者人気の高いfreeeで副業の記帳を効率化する、銀行・カード連携の幅が広く拡張性のあるマネーフォワード クラウド確定申告を確認するなどがあります。いずれも口座やカードを連携すると取引が自動で取り込まれ、スマートフォンのアプリで記帳から申告書の作成・e-Tax(国税の電子申告システム)提出まで完結しやすいのが特長です。無料お試しや無料プランが用意されているので、まずは自分の取引データを入れて操作感を確かめるのがおすすめです。
なお、副業の規模では有料プランが必要かどうか迷うこともあります。各ソフトの料金や機能の違い、無料で使える範囲については個人事業主向け会計ソフトの選び方で比較しているので、契約前に確認してください。料金やキャンペーンの具体額・期限は変動するため、最終的な金額は公式サイトで最新をご確認ください。
手書き・エクセル・会計ソフトの違い
副業の帳簿づけの手段は一つではありません。取引の量や申告方法に応じて選ぶとよいでしょう。
| 管理方法 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 手書き・ノート | 取引が月に数件程度でごく小規模 | 集計や転記の手間がかかり、ミスに気づきにくい |
| エクセル・スプレッドシート | 表計算に慣れていて取引が少なめ | 自分で集計式や様式を整える必要がある。複式簿記には不向き |
| クラウド会計ソフト | 取引数が多い人、青色申告を考える人 | 月額費用がかかる場合がある(無料プランや試用あり) |
小規模なうちは手書きやエクセルでも対応できますが、取引が増えてきたり青色申告で複式簿記が必要になったりすると、会計ソフトのほうが手間とミスを大きく減らせます。途中で乗り換えるとデータ移行の手間が生じるため、副業を継続する見込みがあるなら早めにソフトを使い始めるのも一案です。
確定申告への備えとして今からできること
確定申告の期間は原則として毎年2月16日から3月15日です(曜日により前後する場合があります)。直前に1年分をまとめて処理しようとすると、領収書の紛失や記憶違いでつまずきます。今からできる備えは次のとおりです。
まず、収支を記録する仕組みを一つに決めて、月に一度は記帳する習慣をつけること。次に、源泉徴収票や支払調書、経費の領収書を月ごとにまとめて保管しておくこと。そして、自分の副業所得がどの区分に当たり、申告が必要かどうかの目安を早めに把握しておくことです。経理コンパスの「無料診断」を使うと、いくつかの質問に答えるだけで申告の要否の目安と自分に合った会計ソフトがわかるので、判断の入り口として活用してみてください。
記帳の感覚をつかみたい方は、まず無料で試せる会計ソフトに副業の取引を少し入れてみるところから始めるのが近道です。
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よくある質問
副業の帳簿は必ずつけなければいけませんか?
事業所得として申告する場合や雑所得でも一定規模を超える場合には、帳簿書類の作成・保存が求められることがあります。小規模な雑所得で帳簿の保存義務がない場合でも、正しい所得を計算して確定申告するには収支の記録が欠かせません。所得区分にかかわらず、副業を始めた時点で記録を残しておくのが安全です。
手書きやエクセルではダメで、必ず会計ソフトが必要ですか?
必須ではありません。取引が月に数件程度なら手書きやエクセルでも対応できます。ただし取引数が多い場合や、青色申告で複式簿記が求められる場合は、自動取り込みや集計をしてくれる会計ソフトのほうが手間とミスを大きく減らせます。規模に応じて選びましょう。
副業の経費はどこまで認められますか?
副業の収入を得るために直接必要だった支出が基本です。仕入や材料費、副業用の機材、交通費、書籍代などが該当します。自宅の家賃や通信費のようにプライベートと共用している費用は、家事按分の考え方で副業に使った割合分だけを経費にできる場合があります。いずれも領収書など説明できる記録の保存が前提です。
本業と副業の収支が混ざってしまいます。どう分ければいいですか?
副業専用の銀行口座とクレジットカードを用意し、会計ソフトにはその副業用の口座・カードだけを連携するのが基本です。本業の給与口座は連携しないことで、副業の取引だけが自動で記録されます。月に一度、記帳の漏れと残高を確認する習慣をつけると、確定申告の直前に慌てずに済みます。
まとめ
- 副業の帳簿づけが必要かは収入の多寡だけでなく所得区分(雑所得・事業所得)で変わり、いずれにせよ収支の記録は残しておくのが安全
- 記録の基本は「収入の記録」と「経費の記録」。源泉徴収前の額面で収入を計上し、領収書など説明できる証拠を保存する
- 20万円ルールは収入ではなく経費を引いた「所得」で判定されるため、経費の記録が正確な判断に直結する
- 本業と混ざらないよう副業専用の口座・カードを用意し、会計ソフトには副業分だけを連携すると管理が楽になる
- 確定申告の直前に慌てないよう、月に一度の記帳と書類保管を習慣化する。料金や制度の最新情報は公式サイトと国税庁で確認し、個別の判断は税理士に相談を
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業務系SaaS(会計・勤怠・CRM)の利用・導入支援の経験/不動産業界での実務経験
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