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一人親方の確定申告ガイド|入金・材料費・外注費の管理と青色申告のコツ

更新:2026年6月18日7分で読めます会計ソフト

一人親方として独立すると、現場の仕事に加えて「確定申告」という年に一度の大仕事が待っています。工事の入金は遅れがちで、材料費や外注費は金額が大きく、何を経費にできるのか迷う場面も多いはずです。本記事では、一人親方の確定申告でつまずきやすいポイントを整理し、青色申告のメリットや会計ソフトを使った効率化まで、建設業の個人事業主の方にもわかりやすく解説します。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の税務処理を保証するものではありません。税制・各種制度や会計ソフトの料金は改定される場合があります。具体的な申告内容や経費の判断については、国税庁の公式情報や顧問税理士など専門家に必ずご確認ください。

一人親方の確定申告がつまずきやすい3つの理由

一人親方の確定申告が会社員時代と大きく違うのは、自分で1年間の売上と経費を集計し、利益(所得)を計算して申告しなければならない点です。元請けから給与のように天引きされて終わり、というわけにはいきません。とくに建設業ならではの事情が、申告を難しく感じさせます。

つまずきやすいポイントは大きく3つあります。1つ目は「入金サイトの長さ」、2つ目は「材料費と外注費の扱い」、3つ目は「どこまで経費にできるか」です。順番に見ていきましょう。

入金サイトが長く、売上の計上時期に迷う

建設業では、工事が完了してから入金まで数か月かかることも珍しくありません。たとえば11月に終わった工事の代金が翌年1月に振り込まれる、というケースです。

ここで迷うのが「売上をいつの年の収入にするか」です。確定申告では、原則として実際に入金された日ではなく、工事が完成して引き渡した日(役務の提供が完了した日)で売上を計上するのが基本的な考え方です。つまり、年をまたぐ工事は入金が翌年でも、引き渡しが今年なら今年の売上になることがあります。請負金額が大きい工事や年末年始をまたぐ案件は判断が分かれやすいので、計上時期は顧問税理士に確認しておくと安心です。

材料費と外注費は「金額が大きい」からこそ整理が必要

一人親方の経費で大きな割合を占めるのが、材料費と外注費です。材料費は工事に使う木材・鉄筋・塗料・部材などの仕入れ、外注費は応援に来てもらった職人や下請けに支払った費用を指します。

この2つは金額が大きいぶん、領収書や請求書の管理が甘いと、利益の計算が大きくずれてしまいます。とくに外注費は、相手が事業者として独立して仕事を請けているかどうかで「外注費」か「給与」かの判断が変わる場合があり、税務上の取り扱いに注意が必要な論点です。日々の支払いを工事ごとに記録しておくと、後で振り返りやすくなります。建設業全体の原価管理の考え方は、別記事の建設業の会計・原価管理の進め方で詳しく整理しています。

どこまで経費にできるか判断に迷う

一人親方 経費でよく検索されるのが「これは経費になるのか」という疑問です。仕事のために使った費用は経費にできますが、プライベートと兼用しているものは線引きが必要です。

たとえば作業着・安全靴・工具・現場までのガソリン代・高速代・軽トラックの維持費・職人仲間との打ち合わせ費用などは、業務に直接関係する範囲で経費にできるのが一般的です。一方、自宅兼事務所の家賃や電気代、自家用と兼用の車などは、仕事で使った割合だけを「家事按分」して計上します。按分の割合に明確な正解はないため、根拠を説明できる基準を決めておくことが大切です。

青色申告のメリットと一人親方が選ぶべき理由

結論から言うと、一定の手間をかけても、一人親方には青色申告がおすすめできるケースが多いです。理由は、節税につながる特典が複数あるからです。確定申告には白色と青色がありますが、両者の違いは下の表のとおりです。

項目白色申告青色申告
事前の届出不要必要(開業届と青色申告承認申請書)
帳簿のつけ方簡易な記帳複式簿記が原則
特別控除なし最大の控除を受けられる場合がある
赤字の繰り越し不可が原則一定年数の繰り越しが可能
家族への給与制限あり専従者給与を経費にしやすい

青色申告の最大の魅力は、要件を満たせば所得から一定額を差し引ける「青色申告特別控除」です。さらに、開業初期に赤字が出ても、一定の年数にわたって翌年以降の黒字と相殺できる仕組みがあるため、独立直後の一人親方には心強い制度です。

ただし青色申告には、複式簿記での記帳や期限内の申請といった条件があります。控除額や適用要件の詳細は改定されることもあるため、最新の内容は国税庁の情報で確認してください。申請の具体的な手順は、別記事の青色申告のやり方と必要書類にまとめています。

インボイス制度への対応も忘れずに

一人親方が近年あわせて考えておきたいのが、インボイス制度です。元請けが消費税の仕入税額控除を受けるには、適格請求書(インボイス)の保存が必要になりました。そのため、取引先から「インボイス(登録番号)を出してほしい」と求められる一人親方が増えています。

登録するかどうかは、自分の取引先が課税事業者中心か、免税事業者のままでいたいか、といった事情によって変わります。登録すると消費税の申告義務が生じる一方、登録しないと取引先との関係に影響が出る可能性もあり、一律に「こうすべき」とは言えません。自分にとっての損得は、取引構造を踏まえて顧問税理士に相談するのが確実です。

会計ソフトで記帳と申告を効率化する手順

青色申告の複式簿記やインボイス対応を手作業でこなすのは、現場で動き回る一人親方にとって大きな負担です。そこで役立つのが会計ソフトです。一人親方 会計ソフトを使えば、銀行口座やカードの明細を取り込み、申告書類まで一気通貫で作りやすくなります。導入から申告までの流れは、次の手順が基本です。

  1. 開業届と青色申告承認申請書を提出し、青色申告の準備を整える。
  2. 事業用の銀行口座とクレジットカードを分け、会計ソフトと連携させる。
  3. 工事の入金・材料費・外注費を、取引が発生するつど記録する(明細の自動取込を活用)。
  4. レシートや請求書をスマホで撮影・保存し、家事按分の基準もメモしておく。
  5. 年末に内容を見直し、ソフトの案内に沿って青色申告決算書と確定申告書を作成する。
  6. e-Taxで電子申告する、または印刷して提出する。

ソフト選びで迷ったら、現場仕事の合間でも入力しやすいものを選ぶのがコツです。スマホアプリで明細を確認したり、質問に答える形式で申告書を作れたりするタイプは、簿記に不慣れでも進めやすいでしょう。たとえば、簿記の知識が少なくても画面の案内に沿って進めやすいfreee会計を無料で試す(公式サイト)という選択肢があります。すでに使っているサービスとの連携や乗り換えを重視するなら、マネーフォワード クラウド確定申告を無料で試すのも一案です。いずれも無料で試せる範囲があるので、入力のしやすさを実際に確かめてから決めると失敗しにくくなります。なお料金やキャンペーンは変わることがあるため、最新の内容は公式サイトでご確認ください。

個人事業主全体の申告の流れをもう一度押さえたい方は、個人事業主の確定申告の基本もあわせて読むと、全体像がつかみやすくなります。

よくある質問

一人親方は必ず青色申告にしないといけませんか。

いいえ、白色申告も選べます。ただし青色申告には特別控除や赤字の繰り越しなどの特典があり、節税面で有利になるケースが多いため、独立を機に検討する価値は十分にあります。青色申告には事前の申請と複式簿記が必要なので、会計ソフトを使って記帳の負担を抑えるのが現実的です。

材料費や外注費の領収書は、どのくらい保管すればよいですか。

確定申告に関する帳簿や領収書・請求書は、一定期間の保存が法律で求められています。保存年数は申告区分などによって異なるため、詳しくは国税庁の情報を確認してください。工事ごとにファイルやアプリで分けて保管しておくと、後から見返すときも探しやすくなります。

現場まで使う軽トラックの費用は全額経費にできますか。

仕事専用の車であれば、ガソリン代・車検・保険などを経費にできるのが一般的です。プライベートと兼用している場合は、仕事で使った割合だけを家事按分して計上します。按分の根拠を説明できるよう、走行記録などを残しておくと安心です。判断に迷う支出は税理士に相談しましょう。

簿記の知識がなくても会計ソフトで申告できますか。

多くのクラウド会計ソフトは、質問に答える形式や明細の自動取込で、簿記に詳しくなくても申告書を作れるよう設計されています。まずは無料の範囲で操作感を試し、自分が続けやすいものを選ぶのがおすすめです。

まとめ

  • 一人親方の確定申告は「入金サイトの長さ(売上の計上時期)」「材料費・外注費の管理」「経費の線引き」の3点でつまずきやすいです。
  • 売上は原則として工事の引き渡し日で計上し、年をまたぐ工事は判断を税理士に確認すると安心です。
  • 青色申告は特別控除や赤字の繰り越しなどの特典があり、一人親方が検討する価値の高い制度です。
  • インボイス制度への対応は取引先の状況で判断が分かれるため、登録の損得は専門家に相談しましょう。
  • 会計ソフトを使えば記帳から青色申告・e-Taxまで効率化でき、freeeやマネーフォワード クラウド確定申告など無料で試せるサービスで入力のしやすさを確かめてから選ぶと失敗しにくくなります。

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経理コンパス編集部

業務系SaaS(会計・勤怠・CRM)の利用・導入支援の経験/不動産業界での実務経験

中小企業の経理・バックオフィス担当者が、本当に自社に合うクラウドソフトを選べるように。公式情報と実際の使用感、そして制度(インボイス・電子帳簿保存法)への対応状況を、できるだけ中立に整理して発信しています。

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