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個人事業主の節税対策まとめ|今日からできる正攻法を優先度順に解説

更新:2026年6月12日5分で読めます会計ソフト

個人事業主やフリーランスの節税は、「何か特別な裏ワザを探す」ことではなく、「使える控除を漏らさず、経費を正しく計上し、将来に備える制度を順番に使う」ことが王道です。とくに、節税のためだけに不要な物を買う方法は、税金が減る以上に手元のお金が減るため本末転倒です。本記事では、個人事業主が今日から取り組める節税対策を、効果と取り組みやすさをふまえた優先度順に解説します。

本記事は2026年6月時点の公開情報をもとにした一般的な解説です。各制度の要件・限度額は変わる場合があるため、必ず国税庁等の公式情報をご確認ください。個別の税務判断は税理士などの専門家にご相談ください。

節税の大原則|「支出を増やす節税」より「漏れをなくす節税」

まず押さえたいのは、節税には大きく2種類あるという点です。ひとつは「お金を使わずに税金が減る節税」、もうひとつは「お金を使った結果として税金が減る節税」です。前者の代表が各種の控除(所得から差し引ける金額)で、後者の代表が経費の支出です。

使う予定のなかった物を年度末に慌てて買っても、税率分しか税金は減らず、支出額の大半は手元から消えます。優先すべき順序は次のとおりです。

  1. 控除を漏らさない(青色申告特別控除・所得控除)
  2. 本来経費にできる支出を正しく計上する
  3. 将来に備えながら控除も受けられる制度を使う
  4. 事業の状況に応じた高度な選択肢を検討する

この順番で取り組めば、無駄な支出をせずに税負担を適正化できます。

優先度1:青色申告特別控除を満額とる

最初に取り組むべきは「青色申告(事前に承認を受けて行う、特典つきの確定申告方式)」です。一定の要件を満たすと、所得から最大65万円を差し引ける青色申告特別控除が受けられます。お金を1円も使わずに課税対象の所得を減らせる、もっとも費用対効果の高い節税です。

満額の控除を受けるには、おおむね次の要件があります。

  • 事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出していること
  • 複式簿記(取引を借方・貸方の両面で記録する方式)で帳簿をつけること
  • 貸借対照表と損益計算書を添付すること
  • e-Tax(国税の電子申告システム)での申告、または電子帳簿保存を行うこと

「複式簿記」と聞くと身構えてしまいますが、freeeやマネーフォワード クラウド確定申告などの会計ソフトを使えば、銀行口座やカード明細を取り込んで仕訳を自動作成でき、簿記の知識がなくても要件を満たす帳簿が作れます。要件や控除額の最新情報は国税庁の公式情報で確認してください。

優先度2:経費の計上漏れをなくす

次に効くのが、本来経費にできるのに見落としている支出の拾い上げです。架空の経費は脱税ですが、事業に使った実費を計上するのは当然の権利です。見落としやすい代表例を表にまとめます。

見落としやすい経費内容ポイント
家事按分(家賃)自宅兼事務所の家賃のうち事業利用分使用面積や時間など合理的な基準で割合を決める
家事按分(通信費・電気代)スマホ代・ネット代・電気代の事業利用分按分根拠をメモに残しておく
減価償却費パソコンなど高額な備品を複数年に分けて経費化一括で経費にできる特例もあるため要件を確認
開業費開業準備のためにかかった費用開業前の支出も対象になり得る。任意のタイミングで償却可能
少額の実費書籍代、打ち合わせのカフェ代、交通費など日々記録しないと年末には思い出せない

家事按分(プライベートと事業が混在する支出を、事業利用割合に応じて経費にすること)は、根拠さえ合理的なら堂々と使える仕組みです。重要なのは「領収書管理を仕組み化する」こと。レシートをスマホで撮影して即記録できる会計ソフトを使えば、年間で見ると無視できない計上漏れを防げます。

優先度3:所得控除をフル活用する

経費とは別に、所得から差し引ける「所得控除」が多数あります。とくに個人事業主には、将来への備えがそのまま控除になる制度が用意されています。代表的なものを整理します。

制度・控除ざっくり効果注意点
小規模企業共済(掛金が所得控除になる経営者向けの退職金制度)掛金の全額が所得控除短期間で解約すると元本割れの可能性。掛金には上限あり
iDeCo(個人型確定拠出年金)掛金の全額が所得控除原則60歳まで引き出せない。掛金の上限が定められている
国民年金基金掛金が所得控除の対象iDeCoと合わせた掛金枠に上限あり
経営セーフティ共済(取引先の倒産に備える共済)掛金を経費にできる解約時の受取金は収入になるため出口の計画が必要
生命保険料控除支払保険料に応じて一定額を控除控除額には上限が定められている
医療費控除一定額を超えた医療費が控除対象家族分も合算可能。領収書・明細の保管が必要
ふるさと納税(寄附金控除)自己負担を除く寄附額が控除対象控除上限は所得により異なる。厳密には節税より「実質的な返礼」

各制度の限度額や要件は変更されることがあるため、最新情報は国税庁および各制度の公式サイトで必ず確認してください。自分の状況でどの制度から手を付けるべきか迷う方は、経理コンパスの無料診断を使うと、事業規模や申告状況に合わせた優先順位の目安がわかります。

優先度4:事業の状況に応じて検討すること

利益が伸びてきた段階では、次のような選択肢も視野に入ります。いずれも要件や損益分岐が個別事情に左右されるため、税理士への相談をおすすめします。

  • 消費税の計算方法の検討:簡易課税(みなしの仕入率で計算する方式)や、インボイス登録事業者向けの2割特例など、自分に有利な方式を選べる場合があります。事前届出や適用要件があります。
  • 青色事業専従者給与:家族が事業を手伝っている場合、届出のうえで支払う給与を経費にできる制度です。労働の実態が必要です。
  • 法人成り:所得が一定水準を超えると、法人化により税・社会保険全体の負担が変わる可能性があります。設立・維持コストもあるため慎重な試算が必要です。

やってはいけない節税と、会計ソフトが土台になる理由

最後に注意点です。架空経費の計上や、プライベートの支出を経費に紛れ込ませる行為は節税ではなく脱税であり、加算税や延滞税などの重いペナルティの対象になります。また、過度に利益を圧縮すると、融資や住宅ローンの審査で「稼げていない事業」と評価され、不利になる場合があります。節税は「正当な制度を、出口まで考えて使う」ことが鉄則です。

そして、ここまで紹介した対策の土台になるのが日々の記帳です。会計ソフトを使うと、明細の自動取込で経費の計上漏れを防ぎ、複式簿記とe-Taxという青色申告特別控除の要件を満たしやすくなり、月次の利益が見えることで共済やiDeCoの掛金設計も立てやすくなります。つまり、会計ソフト自体が最優先の節税インフラといえます。

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まとめ

  • 節税の基本は「支出を増やす」より「控除と経費の漏れをなくす」こと。優先順位を守るのが近道
  • 最優先は青色申告特別控除。複式簿記とe-Tax等の要件は会計ソフトで満たしやすい
  • 家事按分・減価償却・開業費など、見落としがちな経費を仕組みで拾う
  • 小規模企業共済・iDeCoなど、将来に備えながら控除になる制度を活用する。限度額は公式情報で確認
  • 架空経費は脱税。簡易課税や法人成りなど高度な検討は税理士に相談を

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経理コンパス編集部

業務系SaaS(会計・勤怠・CRM)の利用・導入支援の経験/不動産業界での実務経験

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