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フリーランス1年目の確定申告と税金|開業初年度に押さえる手続きと注意点

更新:2026年6月18日9分で読めます会計ソフト

会社を辞めて独立した、あるいは副業から本格的にフリーランスへ踏み出した。その1年目に必ず向き合うことになるのが、確定申告と税金の手続きです。会社員時代は勤務先が年末調整や納税を代行してくれましたが、フリーランスは開業の届け出から日々の記帳、初めての確定申告まで、自分で進める必要があります。何から手をつければよいか分からず不安に感じる方も多いはずです。この記事では、開業初年度にやるべき手続き、初年度にかかる税金と翌年に増える負担、経費にできる開業費、そして初めての確定申告の流れを、順を追ってやさしく整理します。

本記事は開業初年度の手続きと税金の全体像を理解していただくための一般的な情報をまとめたものです。控除額・申告期限・各種要件・保険料率などの具体的な数値や条件は、税制改正や自治体によって変わることがあります。最新かつ正確な情報は必ず国税庁や各自治体の公式情報でご確認いただき、ご自身の状況に応じた判断は税理士などの専門家へご相談ください。

フリーランス1年目に最初にやる手続き

独立して事業を始めたら、まず行いたいのが税務署への届け出です。確定申告は年明けの作業ですが、その前提となる手続きは開業した時点から始まっています。1年目の早い段階で土台を整えておくと、初めての確定申告がぐっと楽になります。

開業直後にまず押さえたい手続きは、次の2つです。

手続き内容タイミングの目安
開業届の提出事業を始めたことを税務署に届け出る事業開始から比較的早い時期
青色申告承認申請青色申告で申告するための承認を受ける開業届とあわせて検討

開業届とは、正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、事業を始めたことを税務署に知らせる書類です。提出自体は難しくありませんが、屋号付きの銀行口座を作る際などに役立つこともあります。書き方や提出方法の詳細は、開業届の提出方法をまとめたガイドで確認しておくと安心です。

そしてもう1つ重要なのが、青色申告の承認申請です。これは後述する節税メリットを受けるための申請で、提出には期限があります。期限を過ぎると初年度は白色申告となり、特別控除などのメリットを1年目から受けられなくなる場合があります。「1年目だから後でいい」と先延ばしにせず、開業届とセットで早めに済ませておくのがおすすめです。

青色申告にするか白色申告にするか

確定申告には「青色申告」と「白色申告」があります。青色申告は一定の帳簿付けを条件に税制上の優遇を受けられる方法で、白色申告は事前申請が不要で記帳も簡易な代わりに、青色のような特典は基本的にありません。

1年目で迷ったら、原則として青色申告の申請を出しておくことをおすすめします。承認を受けても実際にどう申告するかは後から調整できる一方、申請を出していなければ青色のメリットは選べないからです。両者の違いを整理すると次のようになります。

比較項目青色申告白色申告
事前の申請必要(承認申請の期限あり)不要
帳簿付け原則として複式簿記などの詳細な記帳簡易な記帳でよい
税制上の特典特別控除など複数のメリットがある特典は基本的に小さい
1年目の手間やや大きい小さい

複式簿記と聞くと身構えてしまいますが、会計ソフトを使えば簿記の知識が浅くても画面の案内に沿って入力を進められます。青色申告で受けられる特別控除の金額や適用条件、記帳の要件は制度で細かく定められており変更もあり得るため、具体的な数値は国税庁で確認し、青色申告の進め方は青色申告のやり方を解説した記事も参考にしてください。

初年度にかかる税金と「翌年に増える負担」

フリーランス1年目で見落としやすいのが、税金や社会保険料の支払いには「時間差」があるという点です。1年目に稼いだ所得に対する負担の一部は、翌年になってまとまって請求されます。これを知らずに使い切ってしまうと、後で資金繰りに苦しむことになりかねません。

主な税金・保険料の負担を時系列で整理すると、次のようになります。

種類支払う相手負担が来るタイミング
所得税国(税務署)確定申告時に納付(1年目分は申告期限まで)
住民税市区町村申告した年の翌年に本格化
国民健康保険市区町村前年の所得をもとに翌年の保険料が決まる
国民年金日本年金機構加入中は継続して納付

特に注意したいのが住民税と国民健康保険です。どちらも前年の所得をもとに計算されるため、独立して所得が増えた1年目の負担は、翌年にずれて重くのしかかります。会社員を辞めた直後は前職の所得をもとに保険料が決まり、フリーランスとして所得が伸びた分は翌年に反映される、という仕組みを理解しておきましょう。

対策はシンプルで、利益が出たらその一部を「翌年の税金・保険料用」として別口座に取り分けておくことです。目安としては、所得や状況にもよりますが、もうけの2〜3割程度をよけておくと安心という考え方があります。正確な税率や保険料率は自治体や所得によって異なるため、最新の情報は各自治体や国税庁でご確認ください。

開業費を経費にして1年目の負担を抑える

1年目だからこそ活用したいのが「開業費」です。開業費とは、事業を始めるために開業前にかかった費用のことを指します。独立準備のために使ったお金の中には、経費として計上できるものが少なくありません。

開業費に含められる代表的な支出には、次のようなものがあります。

支出の例内容
開業準備のための情報収集費書籍・セミナー参加費など
名刺・印鑑・ロゴ作成費事業開始のための準備物
打ち合わせの交通費・通信費取引先候補との準備的なやり取り
事務用品・少額の備品業務に使う消耗品など

開業費は通常の経費と少し扱いが異なり、支出した年にまとめて費用にすることも、複数年に分けて計上することもできる柔軟な仕組みになっています。これを上手に使うと、利益が出た年に費用を寄せて税負担を調整するといった工夫もしやすくなります。

ただし、何が開業費に当たるか、いつ計上するのが適切かは個別の事情で変わります。準備期間に使ったレシートや領収書は捨てずに保管し、判断に迷う場合は税理士へ相談するのが安全です。また、事業に使ったものとプライベートの支出が混ざりやすい時期でもあるため、開業当初から事業用とプライベートの口座・カードを分けておくと、後の記帳が格段に楽になります。

初めての確定申告の流れ(番号付き手順)

ここまでの準備を踏まえて、初めての確定申告がどう進むのかを手順で確認しましょう。いきなり申告書を書くわけではなく、日々の積み重ねを最後に書類へまとめる、という流れです。

  1. 日々の取引を記帳する。売上が入ったら収入、支払ったら経費として、こまめに記録します。領収書・請求書・通帳の明細は整理して保管しておきましょう。
  2. 控除に必要な書類を集める。年明け前後に届く社会保険料・生命保険料・国民年金などの控除証明書をまとめておきます。
  3. 1年分の収支を集計する。1月1日から12月31日までの売上と経費を合計し、もうけ(所得)を確定させます。
  4. 申告書類を作成する。青色申告なら青色申告決算書、白色申告なら収支内訳書を作り、確定申告書に転記します。
  5. 提出して納税する。e-Tax・郵送・税務署窓口のいずれかで申告書を提出し、所得税を納付します。
  6. 翌年分に向けて記録を残す。提出した書類や帳簿は保存義務があるため、年ごとにまとめて保管しておきます。

最も大切なのは手順1の記帳です。ここを1年通してコツコツ続けておくと、申告期にまとめて作業する負担が大きく減ります。逆に1年分の領収書を後から探すのは大変なので、月に一度でも記帳の時間を取る習慣をつけましょう。申告全体の進め方は個人事業主の確定申告のやり方を解説した記事もあわせてご覧ください。

記帳と申告を会計ソフトで楽にする

「複式簿記」「決算書」と聞くだけで気が重くなる方もいるでしょう。1年目の記帳と申告の負担を軽くしてくれるのが会計ソフトです。会計ソフトは、日々の取引入力から集計、申告書類の作成までを支援してくれるツールで、銀行口座やクレジットカードの明細を取り込んで仕訳の候補を自動で作る機能を備えているものが多くあります。

フリーランス1年目に向いた代表的なサービスを、中立的に紹介します。どちらも個人事業主向けプランがあり、簿記に詳しくなくても画面の案内に沿って初めての申告まで進めやすい設計です。

会計ソフト提供元1年目に向いた特徴の一例
freee会計freee株式会社簿記用語が少なめで、質問に答える形で入力を進めやすい
マネーフォワード クラウド確定申告株式会社マネーフォワード口座やカードのデータ連携に強く、明細の取り込みがしやすい

どちらが合うかは、簿記への慣れや使っている口座・カード、重視するポイントによって変わります。簿記に不安があり「迷わず進めたい」なら、入力をガイドしてくれるfreee会計を無料で試す(公式サイト)から始めるのが一つの選択です。複数の口座やカードの明細をまとめて取り込みたいなら、マネーフォワード クラウド確定申告を無料で試す(公式サイト)を比べてみるとよいでしょう。多くのソフトは無料で試せる期間が用意されているので、申告期に慌てる前に、1年目の早い段階で実際の使い心地を確かめておくのがおすすめです。

なお、会計ソフトはあくまで作業を補助するツールであり、最終的な申告内容の正しさはご自身で確認する必要があります。料金やキャンペーンの具体的な金額・期限は変わることがあるため、最新の内容は各公式サイトでご確認ください。複雑な取引がある場合や判断に不安がある場合は、税理士などの専門家への相談をおすすめします。

よくある質問

フリーランス1年目で所得が少なくても確定申告は必要ですか。

一般的に、事業による所得が一定額を超える場合は確定申告が必要です。所得が少なく申告義務がないケースもありますが、その場合でも住民税の申告が別途必要になることがあります。また、源泉徴収された報酬がある場合は、申告することで払い過ぎた税金が還付されることもあります。1年目は自分が申告対象かどうか自体が分かりにくいため、判断に迷うときは国税庁の案内を確認するか、税理士へ相談すると安心です。

青色申告の申請を出し忘れたら1年目はどうなりますか。

承認申請を期限までに提出していない場合、その年は原則として白色申告となり、青色申告の特別控除などのメリットを初年度から受けられないことがあります。ただし、翌年以降に向けて改めて申請を出すことは可能です。1年目から青色のメリットを受けたい場合は、開業届とあわせて早めに申請しておくことが大切です。期限の詳細は国税庁でご確認ください。

独立して1年目は税金が安く、2年目に急に負担が増えるのはなぜですか。

住民税と国民健康保険が「前年の所得」をもとに計算される仕組みだからです。会社員を辞めた直後は前職時代の所得をもとに保険料が決まり、フリーランスとして所得が伸びた分は翌年に反映されます。そのため、1年目は実感が薄くても、2年目にまとまった負担が来ることがあります。もうけの一部を翌年の税金・保険料用に取り分けておくと、急な負担にも対応しやすくなります。

開業前に使ったお金も経費にできますか。

事業を始めるためにかかった費用は「開業費」として計上できる場合があります。書籍代やセミナー費、名刺作成費、打ち合わせの交通費などが対象になり得ます。開業費は支出した年にまとめて、あるいは複数年に分けて計上できる柔軟な扱いが認められています。準備期間の領収書は必ず保管し、何をどう計上するか迷う場合は税理士へ相談してください。

まとめ

  • フリーランス1年目は、開業届の提出と青色申告承認申請を早めに済ませることが、その後の確定申告を楽にする第一歩です。
  • 青色申告には特別控除などのメリットがあり、迷ったら1年目から申請を出しておくのが無難です。
  • 所得税のほか、住民税と国民健康保険は前年の所得をもとに翌年に負担が増えるため、もうけの一部を取り分けておくと安心です。
  • 開業前にかかった費用は「開業費」として経費にできる場合があり、準備期間の領収書は捨てずに保管しましょう。
  • 確定申告は「記帳→書類集め→集計→書類作成→提出・納税」の流れで進み、日々の記帳の積み重ねがカギになります。
  • 記帳や申告書作成の負担はfreee会計やマネーフォワード クラウド確定申告などの会計ソフトで軽減でき、無料で試せるうちに使い心地を確かめておくと安心です。
  • 控除額・期限・保険料率などの具体的な数値は変わり得るため、最新情報は国税庁や各自治体で確認し、判断は税理士へ相談してください。

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経理コンパス編集部

業務系SaaS(会計・勤怠・CRM)の利用・導入支援の経験/不動産業界での実務経験

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