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仕訳の基本|借方・貸方の考え方と具体例でわかる簿記入門

更新:2026年7月14日5分で読めます会計ソフト

仕訳と聞くと「なんだか難しそう」と感じる方は多いものです。しかし結論からお伝えすると、仕訳は「お金やモノの動きを、左右に分けて記録するだけ」のシンプルなルールです。なぜなら簿記は、世界共通の決まった型に当てはめて記録する仕組みだからです。たとえば「現金で文房具を買った」なら、出ていった現金と、手に入った文房具を左右に書き分けます。本記事では、借方・貸方の考え方から具体的な仕訳例まで、簿記をこれから学ぶ方に向けてやさしく解説します。

本記事は簿記・会計の一般的な学習情報の提供を目的としたものです。記載内容の正確性には努めていますが、実際の会計処理や税務上の取り扱いは、事業内容や状況によって異なります。個別の判断が必要な場合は、必ず税理士など専門家にご相談ください。

仕訳とは「取引を借方・貸方に分けて記録すること」

仕訳(しわけ)とは、日々の取引を「借方(かりかた)」と「貸方(かしかた)」の左右2つに分けて記録する作業のことです。これが簿記のすべての出発点になります。

なぜ左右に分けるのかというと、お金やモノが動くときには必ず「原因」と「結果」の2つの側面があるからです。たとえば「商品が売れて現金が増えた」という取引では、「現金が増えた」という結果と「売上が発生した」という原因がセットで存在します。この2つの面を同時に記録するのが仕訳です。

この「1つの取引を2つの面から記録する」考え方を、複式簿記(ふくしきぼき)と呼びます。複式簿記とは、取引を借方と貸方の両面から記録する方法のことです。家計簿のように残高だけを追う方法(単式簿記)と違い、お金が「どこから来て、何に変わったか」まで分かるのが特長です。

借方(左)・貸方(右)の基本ルール

借方と貸方の最初のルールは、とてもシンプルです。仕訳では、左側を「借方」、右側を「貸方」と呼びます。この「借りる・貸す」という言葉に深い意味はなく、単なる左右の位置を表す記号だと考えてください。

ポイントは、1つの仕訳では借方の合計金額と貸方の合計金額が必ず一致するという点です。理由は、お金やモノが動けば、入ってくる側と出ていく側が同じ金額になるからです。たとえば1万円の備品を現金で買えば、増えた備品1万円(借方)と減った現金1万円(貸方)がぴったり釣り合います。

「借方は左、貸方は右、左右の金額は必ず一致する」。まずはこの3点だけ覚えれば十分です。覚え方のコツとして、「かり方」の『り』は左に払う、「かし方」の『し』は右に払う、と字の形で覚える方法も知られています。

勘定科目の5グループと増減の向き

仕訳では、取引の中身を「勘定科目(かんじょうかもく)」という決まった名前に置き換えて記録します。勘定科目とは、現金・売上・水道光熱費のように、取引の内容を分類するためのラベルのことです。

この勘定科目は、大きく5つのグループに分けられます。資産・負債・純資産・収益・費用の5つです。それぞれ「増えたとき」に借方(左)と貸方(右)のどちらに書くかが決まっており、これを覚えることが仕訳上達の最大の近道になります。

下の表で、5グループの意味と、増えたときに書く位置をまとめます。減ったときは、増えたときと逆の側に書くと覚えてください。

グループ意味(初心者向けの説明)主な勘定科目増えたとき
資産会社が持っているお金やモノ現金・預金・備品・売掛金借方(左)
負債将来返す義務があるもの借入金・買掛金・未払金貸方(右)
純資産返さなくてよい元手資本金・繰越利益貸方(右)
収益会社が稼いだ金額売上・受取利息貸方(右)
費用稼ぐために使った金額仕入・給料・水道光熱費借方(左)

つまり、資産と費用は「増えたら左(借方)」、負債・純資産・収益は「増えたら右(貸方)」というのが基本の型です。この向きさえ頭に入れば、たいていの仕訳は組み立てられるようになります。

具体的な仕訳例を表で確認

ここからは、実際の取引を仕訳の形にしてみましょう。仕訳は「借方の科目・金額」と「貸方の科目・金額」をセットで書きます。先ほどの5グループの向きを思い出しながら見てください。

例1:現金で備品を購入した

「10,000円の備品を現金で買った」ケースです。備品(資産)が増えたので借方、現金(資産)が減ったので貸方に書きます。

借方金額貸方金額
備品10,000現金10,000

例2:売上を現金で受け取った

「50,000円の商品を売り、現金を受け取った」ケースです。現金(資産)が増えて借方、売上(収益)が発生して貸方になります。

借方金額貸方金額
現金50,000売上50,000

例3:経費を銀行口座から支払った

「水道光熱費8,000円を普通預金から支払った」ケースです。水道光熱費(費用)が増えて借方、普通預金(資産)が減って貸方です。

借方金額貸方金額
水道光熱費8,000普通預金8,000

例4:銀行からお金を借り入れた

「銀行から300,000円を借り、普通預金に入金された」ケースです。普通預金(資産)が増えて借方、借入金(負債)が増えて貸方になります。

借方金額貸方金額
普通預金300,000借入金300,000

このように、どの取引も「増えた科目・減った科目」を5グループの向きに当てはめれば、機械的に仕訳が作れます。最初はこの表を見ながらで構わないので、繰り返し書いて慣れていきましょう。

仕訳のコツとクラウド会計の活用

仕訳が早く身につくコツは、取引を見たときに「何が増えて、何が減ったか」を先に考えることです。なぜなら、増減さえ分かれば、あとは5グループの向きに当てはめるだけだからです。金額が左右で一致しているかを最後に確認すれば、基本的なミスはほぼ防げます。

とはいえ、すべての取引を手作業で仕訳するのは大変です。そこで近年は、クラウド会計ソフトを使う方が増えています。クラウド会計ソフトとは、銀行口座やクレジットカードの明細を取り込み、仕訳を自動で提案してくれるインターネット上の会計ツールのことです。

代表的なサービスに、freee会計やマネーフォワード クラウド会計があります。これらは「この入金は売上ですか?」のように勘定科目を提案してくれるため、簿記を学び始めた方でも仕訳の負担を大きく減らせます。自動で提案された仕訳の意味が読めるようになることが、まさに本記事で学んだ知識の活きる場面です。

どのソフトが自分に合うか迷ったときは、当サイトの無料診断(会計ソフト選び)もご活用ください。いくつかの質問に答えるだけで、あなたの状況に合った会計ソフトの方向性を整理できます。ただし、ソフトはあくまで仕訳を補助する道具です。自社にとって正しい会計処理や税務上の判断が必要な場合は、必ず税理士などの専門家に相談しましょう。

まとめ

  • 仕訳とは、取引を借方(左)と貸方(右)に分けて記録することで、簿記のすべての基本になる作業です。
  • 1つの仕訳では、借方の合計と貸方の合計が必ず一致します。
  • 勘定科目は資産・負債・純資産・収益・費用の5グループに分かれ、資産と費用は増えたら借方、負債・純資産・収益は増えたら貸方が基本です。
  • 取引を見たら「何が増えて何が減ったか」を先に考えると、仕訳を組み立てやすくなります。
  • freee会計やマネーフォワード クラウド会計などのクラウド会計ソフトは、明細から自動で仕訳を提案し、初心者を補助してくれます。
  • 自分に合うソフト選びに迷ったら、当サイトの無料診断(会計ソフト選び)もご利用ください。
  • 具体的な会計処理や税務上の判断は、必ず税理士など専門家にご確認ください。

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経理コンパス編集部

業務系SaaS(会計・勤怠・CRM)の利用・導入支援の経験/不動産業界での実務経験

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