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民泊の経費一覧【勘定科目つき】|OTA手数料・清掃費・家事按分の考え方

更新:2026年7月2日6分で読めます会計ソフト

民泊(住宅宿泊事業)は、光熱費・清掃費・OTA手数料・備品と、小さな支出が毎月たくさん発生するビジネスです。「どこまで経費にできるのか」「勘定科目は何にすればいいのか」「自宅兼用の場合はどう分けるのか」——確定申告で最初につまずくのは、ほぼこの3点です。

この記事では、民泊でよく発生する支出を勘定科目つきの一覧表で整理し、間違えやすいOTA手数料の処理、家事按分の計算例、そして経費管理を楽にする記帳の仕組みまで、実務の順序で解説します。

免責事項:本記事は一般的な情報の整理であり、個別の税務助言ではありません。経費にできるかどうか・按分割合の妥当性は運営形態や契約関係によって判断が分かれます。最終的な判断は国税庁の公式情報の確認、または税務署・税理士へのご相談をお願いします。なお民泊による所得は原則として雑所得に区分されます。所得区分の考え方は関連記事「民泊収入の確定申告ガイド」をご覧ください。

民泊の経費一覧(勘定科目つき)

まず全体像です。民泊でよく発生する支出と、一般的に使われる勘定科目を一覧にしました。勘定科目は絶対的な正解があるものではなく、**一度決めたら同じ科目を使い続ける(継続性)**ことが大切です。

支出の内容勘定科目の例按分メモ
Airbnb・Booking.com等の手数料支払手数料不要後述の「両建て処理」に注意
予約管理システム(PMS)・サイトコントローラー利用料通信費 または 支払手数料不要サブスク型は毎月同額
清掃の外注費外注工賃(外注費)不要個人への依頼は源泉徴収の要否も確認
リネン・クリーニング代雑費 または 外注費不要頻度が高ければ独立科目にしてよい
アメニティ・消耗品(シャンプー、トイレットペーパー等)消耗品費不要ゲスト用として購入したもの
寝具・家具・家電(10万円未満)消耗品費一部生活兼用なら按分
家具・家電(10万円以上)減価償却費一部後述。一括では落とせない
水道光熱費水道光熱費必要自宅兼用は按分必須
インターネット・Wi-Fi通信費必要ゲスト用と自家用の切り分け
固定資産税(自宅兼用部分)租税公課必要民泊利用分のみ
火災保険・民泊保険損害保険料一部民泊専用保険は全額、住宅兼用は按分
住宅ローンの利息部分利子割引料必要元本返済は経費にならない
家賃(賃貸物件で転貸許可を得て運営する場合)地代家賃必要契約上の可否は別途確認
スマートロック・チェックインタブレット消耗品費(10万円未満)不要民泊専用なら全額
住宅宿泊事業の届出・更新にかかる費用支払手数料不要行政書士報酬含む
民泊関連の書籍・セミナー新聞図書費・研修費不要事業関連性が説明できるもの

ポイントは「その支出がなければ民泊を運営できなかったか」という視点です。ゲストのために購入・支払ったものは経費性を説明しやすく、生活と混在するものは按分が必要になります。

間違えやすいポイント①:OTA手数料は「両建て」で記帳する

Airbnbなどからの入金は、手数料が差し引かれた後の金額で振り込まれることがあります。このとき入金額だけを売上に計上すると、売上も経費も実際より小さくなってしまいます。

正しい整理は次の両建てです。

  • 売上高:ゲストが支払った宿泊料の総額
  • 支払手数料:OTAに差し引かれた手数料

例:宿泊料20,000円・ホスト手数料3%(600円)・入金19,400円の場合

借方金額貸方金額
普通預金19,400円売上高20,000円
支払手数料600円

なおAirbnbのホスト手数料は分割型で原則3%、ホスト全額負担型では15%前後になるなど、契約形態で率が大きく異なります(詳細はAirbnb公式ヘルプ参照)。手数料率の違いは利益に直結するので、自分がどちらの型かは管理画面で確認しておきましょう。

間違えやすいポイント②:家事按分は「根拠」が9割

自宅の一部で民泊を行う場合、水道光熱費・固定資産税・保険料・ローン利息などは、民泊に対応する部分だけが経費です。よく使われる按分基準は次の2つです。

  • 面積基準:民泊に使う部屋の床面積 ÷ 住宅全体の床面積
  • 日数(稼働)基準:年間の営業日数 ÷ 365日

計算例

自宅80㎡のうち20㎡をゲストルームとして使用し、年間120日営業した場合:

  • 面積割合:20㎡ ÷ 80㎡ = 25%
  • 稼働割合:120日 ÷ 365日 ≒ 32.9%
  • 併用する場合の按分率:25% × 32.9% ≒ 8.2%

年間の水道光熱費が24万円なら、経費にできるのは 24万円 × 8.2% ≒ 19,700円前後、という計算になります。

重要なのは数字そのものよりも、「なぜその割合なのか」を計算表として残しておくことです。根拠のない「とりあえず50%」は税務調査で最も指摘されやすいパターンです。面積図・営業日カレンダー・計算メモをセットで保存しておきましょう。

間違えやすいポイント③:10万円以上の買い物は減価償却

ベッド・ソファ・エアコン・テレビなど、1つ(1組)10万円以上の資産は、購入した年に全額を経費にできず、耐用年数に応じて数年に分けて経費化します(減価償却)。

  • 10万円未満 → その年の消耗品費でOK
  • 10万円以上 → 原則、減価償却(資産の種類ごとの耐用年数で分割)

開業時にまとめて家具家電を揃えると、「思ったより初年度の経費にならない」ことがあります。資金繰りと節税見込みのズレを防ぐため、10万円のラインは購入前に意識しておくと安心です。減価償却の基本は関連記事「減価償却の基礎」もご覧ください。

経費管理を楽にする仕組み:支払いの集約と自動記帳

民泊の経費管理が大変なのは、種類が多いからではなく取引の回数が多いからです。仕組みで解決するのが現実的です。

  1. 事業用の支払手段を分ける:民泊関連の支払いを事業用クレジットカード・事業用口座に寄せると、明細=経費一覧になり、生活費との仕分け作業がほぼ消えます。按分対象(光熱費など)だけ別管理にすれば、さらに明確になります。
  2. クラウド会計ソフトに連携する:freee会計やマネーフォワード クラウドに口座・カードを連携すると、明細が自動で取り込まれます。「Airbnb入金→売上」「清掃会社への振込→外注費」のような繰り返し取引は自動仕訳ルールを設定すれば、2回目以降は自動で処理されます。
  3. 領収書はその場でスマホ撮影:アメニティなど現金・個人立替の購入は、レシートをその場で会計ソフトのアプリに取り込む運用にすると、申告前の「レシートの山」がなくなります。

この仕組みを作っておくと、確定申告は「1年分をまとめて作業する イベント」から「毎月数分の確認作業」に変わります。

よくある質問

Q. ゲストがいない期間の光熱費も経費にできますか?

A. 営業日数や面積で按分するのが基本的な考え方です。営業していない期間・生活利用部分まで全額を経費にすると、按分根拠を問われたときに説明が困難になります。

Q. 自分や家族が使う日用品とまとめ買いした場合は?

A. レシート上で民泊用と家庭用が混在すると按分の説明が難しくなります。ゲスト用は別会計で購入するのが、記帳も税務説明も楽になる実務上のコツです。

Q. 民泊の届出前(準備期間)に買った備品は経費になりますか?

A. 事業を開始するための準備費用は、開業費等として扱える場合があります。ただし民泊が雑所得に区分される場合の取り扱いには論点があるため、金額が大きい場合は税理士への確認をおすすめします。

まとめ

  • 民泊の経費は勘定科目の一覧表を最初に決めて、同じ科目を使い続けるのが基本
  • OTAからの入金は総額を売上・手数料を経費の両建てで記帳する
  • 自宅兼用の支出は面積×稼働日数などの根拠ある按分が必須。計算表を残す
  • 10万円以上の資産は減価償却。初年度の経費見込みとズレやすい点に注意
  • 取引回数が多い民泊は、事業用カード+クラウド会計の自動仕訳で仕組み化するのが最も確実

経費の可否判断に迷うものがある場合は、自己判断で押し切らず、税務署または税理士に確認してから申告しましょう。

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出典・参考

経理コンパス編集部

業務系SaaS(会計・勤怠・CRM)の利用・導入支援の経験/不動産業界での実務経験

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