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家事按分のやり方|家賃・光熱費・通信費を経費にする割合の決め方

更新:2026年6月18日6分で読めます会計ソフト

自宅を仕事場にしている個人事業主やフリーランスにとって、家賃や電気代、通信費は毎月の大きな出費です。これらは生活と仕事の両方で使うため全額は経費にできませんが、仕事で使った分だけを切り分ければ正しく経費に計上できます。この「仕事分の切り分け」が家事按分(かじあんぶん)です。本記事では、対象になる費目、割合の合理的な決め方、記帳の手順、税務調査でも説明できる根拠の残し方まで、順を追って解説します。

税制や控除のルールは年度の改正で変わることがあり、適切な按分割合は事業の実態によっても異なります。本記事は一般的な考え方の整理です。具体的な判断や個別のケースについては、必ず国税庁の最新情報や公式サイトを確認するか、税理士などの専門家にご相談ください。

家事按分とは何か

家事按分とは、家庭での生活(家事)と事業の両方に使っている支出を、一定の基準で「事業用」と「家事用(プライベート)」に分け、事業用の部分だけを必要経費に計上することをいいます。

たとえば月10万円の家賃で、自宅の3割を仕事部屋として使っているなら、3万円を地代家賃として経費にできるイメージです。生活費と混ざっている支出をすべて経費にすることはできませんが、合理的な基準で按分すれば、その事業使用分はきちんと所得から差し引けます。経費の全体像をまず把握したい方は、経費にできるものの一覧もあわせて確認しておくと、按分すべき費目とそうでない費目の区別がつきやすくなります。

家事按分の対象になる主な費目

事業と家事の両方で使う支出が按分の対象です。代表的なものを挙げます。

  • 家賃・地代(賃貸の場合)、住宅ローンの利息や固定資産税・減価償却費(持ち家の場合)
  • 電気代・ガス代・水道代などの水道光熱費
  • インターネット回線・携帯電話などの通信費
  • 自動車のガソリン代・自動車保険・車検費用などの車両費
  • 持ち家にかかる火災保険料の一部

逆に、仕事だけにしか使わない支出(事業専用の機材や事務用品など)は按分せず全額経費、プライベートだけの支出は経費になりません。按分が必要なのは、あくまで「両方にまたがる支出」だけだと整理しておきましょう。

按分割合の合理的な決め方

家事按分で最も重要なのが「割合をどう決めるか」です。税法上、割合そのものに決まった数字はありません。大切なのは、その割合に合理的な根拠があり、第三者に説明できることです。費目ごとに使いやすい基準が異なります。

家賃は面積で分けるのがわかりやすい

家賃や地代は、住居全体の床面積に対して仕事で使うスペースの面積が占める割合で按分するのが一般的です。たとえば全体50平方メートルのうち、仕事専用の部屋が15平方メートルなら、按分割合は30パーセントとなります。間取り図を残しておくと根拠を示しやすくなります。

光熱費・通信費は使用時間や回数で分ける

電気代やインターネットは面積では測りにくいため、使用時間を基準にします。たとえば1日のうち仕事に8時間パソコンや照明を使い、平日のみ稼働しているなら、週単位で「仕事に使う時間 ÷ 全体の時間」を計算して割合を出します。携帯電話なら、仕事の通話やデータ通信の割合を見積もる方法もあります。

車両費は走行距離で分ける

自動車のガソリン代や保険は、年間の総走行距離のうち事業のための走行距離が占める割合で按分するのが説明しやすい方法です。業務で運転した日や距離を記録しておくと、根拠として有効です。

家事按分の記帳のやり方(番号付き手順)

実際に帳簿へ反映する流れを手順で示します。

  1. 按分対象の費目を洗い出す(家賃、水道光熱費、通信費、車両費など)。
  2. 費目ごとに合理的な基準(面積・時間・距離)を決め、按分割合を算出する。
  3. 1年間で割合がほぼ一定なら、支払いの都度ではなく、まとめて月末や年末に按分してもよい。
  4. 支払い時はいったん全額を支出として記録する(普通預金や現金から支払う形)。
  5. 期末などに、家事使用分を「事業主貸」として振り替え、事業用の割合だけを経費に残す。
  6. 計算根拠(面積・使用時間・距離の算出メモ)を書類として保管する。

この事業主貸を使った振り替えは複式簿記の考え方が前提になります。仕訳に不安がある方は、個人事業主の帳簿づけの基本で全体の流れをおさえてから取り組むとスムーズです。手作業で毎月計算するのは手間がかかるため、後述する会計ソフトの自動按分機能を使う方法も検討してください。

会計ソフトでの自動按分という選択肢

按分割合をいったん決めてしまえば、あとは毎月・毎年同じ計算を繰り返すことになります。この繰り返し作業を自動化できるのが会計ソフトの家事按分機能です。最初に費目ごとの割合を設定しておけば、確定申告の段階で事業使用分を自動で計算し、決算書に反映してくれます。

たとえばfreeeの家事按分設定を見てみると、登録した家賃や光熱費に対して割合を入れるだけで按分後の金額が自動算出され、計算ミスや振り替えの漏れを防げます。同様にマネーフォワード クラウド確定申告で按分を試す場合も、年度末にまとめて按分する設定ができるため、毎月の手作業が不要になります。

どちらを選ぶかは操作感や料金、他に使っている口座連携との相性で変わります。具体的な料金やキャンペーンは変動するため、公式サイトで最新をご確認ください。手書きや表計算での管理に限界を感じているなら、無料お試しの範囲で按分機能を実際に触ってみるのが判断の近道です。

家事按分の注意点

最大のポイントは「割合の根拠を説明できるか」です。税務調査では、なぜその割合にしたのかを問われることがあります。面積図、使用時間のメモ、走行距離の記録など、計算のもとになった資料を残しておきましょう。

また、明らかに事業実態とかけ離れた高い割合(自宅の大半を仕事用とするなど)は、否認される可能性があります。実態に即した無理のない割合にすることが、結果的に安心につながります。青色申告では家事按分を含めた経費管理がそのまま控除額にも影響するため、青色申告のやり方とあわせて、年間を通して根拠資料を整えておくことをおすすめします。

よくある質問

家事按分の割合に決まった上限はありますか。

法律で一律の上限が定められているわけではありません。ただし事業の実態に合った合理的な割合であることが前提で、説明できないほど高い割合は認められない場合があります。面積や使用時間など、客観的な基準にもとづいて決めましょう。

白色申告でも家事按分はできますか。

できます。白色申告でも事業で使った分を必要経費にできます。ただし青色申告のほうが特別控除などのメリットが大きいため、按分の手間をかけるなら青色申告とあわせて検討すると効果的です。

持ち家の場合、家賃がないので家事按分できませんか。

持ち家でも、建物の減価償却費、住宅ローンの利息部分、固定資産税、火災保険料などが按分の対象になります。賃貸の家賃とは費目が変わるだけで、事業使用分を経費にできる点は同じです。判断が難しい場合は専門家に相談してください。

毎月按分の仕訳をする必要がありますか。

割合が年間で一定であれば、毎月行わず、年末などにまとめて按分しても問題ありません。会計ソフトの自動按分を使えば、設定した割合で一括計算されるため、月々の手作業を減らせます。

まとめ

  • 家事按分とは、生活と事業の両方に使う支出から、事業使用分だけを経費に切り分ける処理のこと。
  • 対象は家賃・光熱費・通信費・車両費など、両方にまたがる費目に限られる。
  • 割合は面積・使用時間・走行距離など、費目に合った合理的な基準で決め、根拠資料を必ず残す。
  • 記帳は全額を計上したうえで家事使用分を事業主貸に振り替え、事業分だけを経費に残す流れが基本。
  • 毎年同じ計算になるため、freeeやマネーフォワードの自動按分機能を使えば手間と計算ミスを減らせる。最新の料金や機能は公式サイトでご確認ください。

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経理コンパス編集部

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