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減価償却とは?基礎と計算方法をやさしく解説

更新:2026年7月9日5分で読めます会計ソフト

減価償却(げんかしょうきゃく)とは、高額で長く使う資産の購入費用を、その資産を使う期間に分けて費用として計上していく会計の考え方です。たとえば100万円の機械を買った年に全額を経費にするのではなく、数年に分けて少しずつ経費にしていきます。この記事では、経理初心者の方や中小企業のご担当者向けに、減価償却の基礎と計算方法の考え方をやさしく解説します。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、税務上の助言ではありません。具体的な金額基準・耐用年数・特例の適用可否は変更される場合があります。最新の情報は国税庁の公式サイトで確認し、実際の判断は税理士などの専門家にご相談ください。

減価償却とは何か

減価償却とは、長く使う高額な資産の費用を、使用する期間にわたって分割して計上する手続きのことです。なぜこのような仕組みが必要かというと、「費用と収益を対応させる」ためです。

たとえば、ある機械が5年間にわたって売上を生み出すとします。その機械の購入費用を買った年に全額計上してしまうと、初年度だけ費用が膨らみ、2年目以降は費用ゼロで売上だけが計上されることになります。これでは、その年ごとの本当のもうけ(利益)が正しく見えません。

そこで、資産が売上に貢献する期間に合わせて費用を少しずつ配分します。こうすることで、各年度の利益を実態に近い形で把握できるようになります。これが減価償却の最大の目的です。

減価償却の対象になる資産・ならない資産

減価償却の対象になるのは、「時間の経過や使用によって価値が減っていく資産」です。一方で、価値が減らないと考えられる資産は対象になりません。

代表的な対象・対象外を整理すると、次のとおりです。

区分具体例減価償却の対象
建物・付属設備事務所、店舗、エアコン設備対象になる
機械・装置製造機械、工場設備対象になる
器具・備品パソコン、応接セット、コピー機対象になる
車両運搬具営業車、トラック対象になる
土地事業用の土地対象にならない
美術品など一部の高価な美術品原則対象にならない場合がある

特に間違えやすいのが土地です。土地は使っても価値が減らないと考えられるため、減価償却の対象にはなりません。建物は対象になりますが、土地は対象外、という違いを覚えておくと便利です。なお、個々の資産が対象になるかどうかの判断は細かい要件があるため、迷ったら税理士に確認してください。

耐用年数の考え方

耐用年数(たいようねんすう)とは、その資産を何年使えるとみなすかを定めた年数のことです。減価償却では、この年数で費用を割り振っていきます。

ここでポイントになるのが、耐用年数は自分で自由に決められるわけではない、という点です。資産の種類ごとに「法定耐用年数(ほうていたいようねんすう)」という、法律で定められた年数が決まっています。たとえばパソコンと建物では使える年数が違うため、それぞれに応じた年数が設定されています。

ただし、具体的に何年と定められているかは資産の種類や構造によって細かく分かれており、改正されることもあります。正確な年数は、必ず国税庁の公式サイトに掲載されている耐用年数表で確認してください。この記事では特定の年数を断定して示すことは避けます。実際の適用に迷う場合は税理士へご相談ください。

定額法と定率法の違い

減価償却の計算方法には、主に「定額法」と「定率法」の2つがあります。それぞれの考え方を一言で整理します。

  • 定額法(ていがくほう): 毎年同じ金額を費用として計上していく方法です。費用が一定なので、見通しが立てやすいのが特徴です。
  • 定率法(ていりつほう): 初めの年ほど費用が大きく、年を追うごとに費用が小さくなっていく方法です。早い段階で多く費用化したい場合に向いています。

どちらの方法を使えるかは資産の種類によって決められている場合があり、また届出が必要なケースもあります。下の表で両者の違いをイメージしてみてください。

項目定額法定率法
毎年の費用ほぼ一定初めは多く、徐々に減る
計算のイメージわかりやすいやや複雑
向いている場面安定して費用化したい早めに多く費用化したい

なお、どちらの方法を選べるか、また選んだ方法をどう届け出るかには要件があります。自社のケースでどちらが適切かは、税理士に相談して判断することをおすすめします。

少額の資産の取扱い

すべての資産を何年もかけて償却しなければならないわけではありません。比較的少額の資産については、購入した年にまとめて費用にできる特例が用意されている場合があります。代表的なものに「少額減価償却資産」や「一括償却資産」と呼ばれる取扱いがあります。

これらの特例を使うと、本来は数年に分けて償却する資産を、より簡単な方法で費用処理できることがあります。事務負担が軽くなるため、中小企業にとっては便利な仕組みです。

ただし、いくらまでが対象になるかという金額基準や、誰が使えるかという適用要件は細かく定められており、改正される可能性もあります。具体的な金額や条件は国税庁の公式サイトで最新の内容を確認し、自社で使えるかどうかの判断は税理士に相談してください。

クラウド会計で償却計算を自動化する

ここまで読んで「計算が大変そう」と感じた方もいるかもしれません。実は、減価償却の計算や資産の管理は、クラウド会計ソフトを使うことで大幅にラクにできます。

たとえば「freee会計」や「マネーフォワード クラウド会計」といったクラウド会計ソフトには、固定資産台帳(こていしさんだいちょう)を管理し、耐用年数に応じた償却額を自動で計算してくれる機能があります。固定資産台帳とは、保有する資産の情報を一覧で管理する帳簿のことです。資産を登録しておけば、毎年の償却額の計算や仕訳の作成を自動で行ってくれるため、手計算のミスを減らせます。

「自社にどの会計ソフトが合うかわからない」という方は、当サイトの無料診断(会計ソフト選び)もご活用ください。いくつかの質問に答えるだけで、自社の規模や使い方に合ったソフト選びのヒントが得られます。ただし、最終的な税務処理の正確さについては、導入後も税理士と連携しながら進めると安心です。

まとめ

  • 減価償却とは、高額で長く使う資産の費用を、使う期間に分けて計上する会計の考え方で、費用と収益を正しく対応させるために必要です。
  • 建物や機械、パソコンなどは対象になりますが、価値が減らない土地は対象になりません。
  • 耐用年数は資産ごとに法定耐用年数が定められており、具体的な年数は国税庁の表で確認します。
  • 計算方法には毎年一定額の「定額法」と、初めに多く費用化する「定率法」があります。
  • 少額の資産には特例がある場合がありますが、金額基準や要件は最新の情報を国税庁で確認しましょう。
  • freee会計やマネーフォワード クラウド会計などのクラウド会計を使えば、固定資産台帳の管理や償却計算を自動化できます。
  • 具体的な金額基準・耐用年数・特例の適用は断定できないため、最新は国税庁で確認し、判断は税理士へご相談ください。

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出典・参考

経理コンパス編集部

業務系SaaS(会計・勤怠・CRM)の利用・導入支援の経験/不動産業界での実務経験

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