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経理の年間スケジュール|月次・年次でやることカレンダー

更新:2026年7月22日7分で読めます会計ソフト

中小企業の経理は、毎日・毎月・毎年やるべきことが決まっており、それらを「年間スケジュール」として可視化できるかどうかで、繁忙期の負担も、申告や納付のミスのリスクも大きく変わります。とくに担当者が1〜2名の会社では、業務が特定の人に集中しやすく、「いつ・何を・どこに提出するのか」が頭の中だけにある状態になりがちです。この記事では、経理業務を日次・月次・年次の3つの視点で整理し、月ごとにやることをカレンダー形式の表でまとめます。自社の経理カレンダーを作る際のたたき台として使っていただける内容です。

免責事項:本記事は中小企業の経理担当者向けに一般的な情報をまとめたものであり、特定の会社の状況に対する税務・労務上の助言ではありません。各種手続きの期日・要件は、会社の決算月・業種・従業員数・加入制度などによって異なります。記載の時期はあくまで一般的な目安であり、具体的な期日や最新の取り扱いは、必ず国税庁・日本年金機構・お住まいの地域の労働局や年金事務所・自治体などの公式情報でご確認ください。個別の判断が必要な場合は、税理士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

経理業務は「日次・月次・年次」の3層で捉える

経理の仕事は数が多く一見バラバラに見えますが、発生する頻度で「日次・月次・年次」の3つに分けると整理しやすくなります。日次は毎日コツコツ積み上げる作業、月次は月の締めに合わせて回す作業、年次は年に1回まとまって発生する大きなイベント、という捉え方です。

この3層で考える利点は、「今やるべきこと」と「先に準備しておくこと」を切り分けられる点にあります。日次の精度が高ければ月次決算が早く締まり、月次がきちんと回っていれば年次の決算や申告がぐっと楽になります。つまり日次・月次の積み重ねが、年次の繁忙期を軽くする土台になるわけです。

なお、ここでいう「月次決算(げつじけっさん)」とは、1か月単位で売上・費用・利益をまとめて経営状況を把握する社内向けの集計を指します。法律上の義務ではありませんが、資金繰りや意思決定のために多くの企業が取り入れています。

日次でやること:現金管理・記帳・証憑整理

日次業務の基本は、お金とお金にまつわる証拠を、毎日ためずに処理することです。日々の小さなズレを放置すると、月末にまとめて原因を探すことになり、かえって時間がかかります。

主な日次業務は次のとおりです。

業務内容ポイント
現金管理現金出納帳の記入と実際の手元現金の照合帳簿残高と実残高を毎日合わせる
預金管理入出金の確認・通帳やネットバンキングの記帳入金消込の遅れを防ぐ
記帳日々の取引を会計帳簿に入力取引が発生したらその日のうちに
証憑整理領収書・請求書・納品書の保管日付・取引先ごとに整理

ここで出てくる「証憑(しょうひょう)」とは、取引が実際にあったことを証明する領収書・請求書などの書類のことです。「消込(けしこみ)」は、請求した金額と実際の入金を照らし合わせて、支払済みかどうかを確認する作業を指します。これらを毎日少しずつ進めることが、月次をスムーズに締める前提になります。

月次でやること:請求・支払・給与・月次決算・納付

月次業務は、月の締め日を基準に動きます。請求書の発行と支払い、給与計算、そして月次決算が中心で、会社の数字を毎月リセットして締めるイメージです。

代表的な月次業務を整理します。

業務一般的な時期の目安内容
請求書発行月初〜月末締め日売上の請求・送付
支払処理月末〜翌月仕入・経費の支払い、振込
給与計算・支給会社の規定日勤怠集計・控除計算・支給
月次決算翌月初旬試算表の作成・前月比較
源泉所得税の納付原則、徴収した月の翌月10日まで給与等から預かった税の納付

「源泉所得税(げんせんしょとくぜい)」とは、給与や報酬を支払う際にあらかじめ天引きして、会社が本人に代わって国に納める所得税のことです。原則として徴収した月の翌月10日が納付期限ですが、一定の要件を満たして申請した場合は年2回にまとめて納める特例(納期の特例)もあります。期限や要件は変わり得るため、最新は国税庁で確認してください。

年次の主なイベント:月ごとのカレンダー

年次業務は、年に一度まとまって発生する大きな手続きです。下表は決算月を3月とした会社を想定した一般的な並びの例で、決算月が異なる会社では時期がずれます。あくまで全体像をつかむための目安としてご覧ください。

時期の目安主なイベント概要
1月法定調書・給与支払報告書の提出前年分を税務署・市区町村へ提出
1月償却資産申告固定資産を自治体へ申告
3月決算準備在庫棚卸・残高確認(3月決算の場合)
5月決算・法人税等の申告納付原則、事業年度終了から2か月以内
6月住民税の特別徴収開始新年度の天引き額に更新
6〜7月労働保険の年度更新前年度の確定と新年度の概算申告
7月社会保険の算定基礎届標準報酬月額の見直し
7・12月賞与計算・賞与支払届賞与の計算と届出
11〜12月年末調整1年間の所得税の過不足精算

いくつか用語を補足します。「労働保険の年度更新」は、労災保険と雇用保険の保険料を、前年度の実績で精算しつつ新年度分を概算で申告・納付する手続きです。「算定基礎届(さんていきそとどけ)」は、社会保険料の計算の基礎となる標準報酬月額を、毎年の報酬に合わせて見直すための届出を指します。「年末調整」は、毎月の給与から天引きしてきた所得税を、1年間の正しい税額と比べて過不足を精算する手続きです。「法定調書(ほうていちょうしょ)」は、誰にいくら支払ったかを税務署に報告する書類の総称です。

これらの期日・要件は制度改正や会社の状況で変わります。労働保険は労働局、社会保険は日本年金機構(年金事務所)、税務関係は国税庁、住民税や償却資産は各自治体と、提出先ごとに最新情報を確認するのが確実です。

繁忙期を平準化する3つのコツ

年次イベントは特定の月に集中するため、何も準備しないとその月だけ業務量が跳ね上がります。負担を均すには、前倒し・分散・仕組み化の3つが基本になります。

コツ具体例
前倒し年末調整の用紙配布を11月から始める/決算の棚卸準備を1か月前から
分散証憑整理や記帳を日次で消化し月末に残さない
仕組み化チェックリスト化・担当の複線化・テンプレート整備

とくに効くのは、日次・月次をためないことです。日々の記帳や消込が遅れると、その遅れは月次決算や年次の作業に雪だるま式に積み上がります。逆に毎日少しずつ片づけておけば、決算月や年末調整の時期でも、追加の確認作業を最小限に抑えられます。自社の繁忙期がどこに偏っているか分からない場合は、当サイトの無料診断で年間業務の山がどの月に来るかを大まかに把握するところから始めてみてください。

クラウド会計・給与で定型業務を自動化する

日次・月次の定型業務は、クラウド会計ソフトやクラウド給与ソフトの活用で効率化できる部分があります。代表的なサービスにはfreee(フリー)やマネーフォワード クラウドなどがあり、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込み、仕訳の候補を提示する機能などを備えています。

自動化に向いている業務と、その効果の例を整理します。

業務自動化・効率化の例
記帳口座・カード明細の自動取込と仕訳候補の提示
請求・入金管理請求書発行と入金消込の連携
給与計算勤怠データからの計算・各種控除の自動反映
年末調整従業員からの情報収集をオンライン化
帳票保存証憑のデータ保存・検索

ツールを使う利点は、単に作業が速くなることだけではありません。決まった処理を仕組みに任せることで、属人化を減らし、抜け漏れに気づきやすくなる点が大きなメリットです。ただし、どのソフトが自社に合うか、電子帳簿保存法などの要件をどう満たすかは、業種や規模によって判断が分かれます。導入を本格的に検討する際は、税理士など専門家にも相談しながら進めると安心です。なお、機能や料金、対応する制度は変わることがあるため、最新の内容は各サービスの公式情報でご確認ください。

自社の経理がどの工程に時間を取られているか整理したいときは、当サイトの無料診断もあわせてご活用ください。現状の棚卸しが、自動化の第一歩になります。

まとめ

  • 経理業務は「日次・月次・年次」の3層で捉えると整理しやすく、日次・月次の積み重ねが年次の繁忙期を軽くする土台になります。
  • 日次は現金管理・記帳・証憑整理、月次は請求・支払・給与・月次決算・源泉所得税の納付が中心です。
  • 年次は労働保険の年度更新・算定基礎届・年末調整・法定調書・決算と申告・賞与などが、特定の月に集中して発生します。
  • 期日や要件は会社の決算月や制度で異なるため断定はできません。最新は国税庁・日本年金機構・労働局・自治体など、提出先ごとの公式情報で確認してください。
  • 繁忙期の平準化には「前倒し・分散・仕組み化」が有効で、クラウド会計・給与ソフトの活用は属人化と抜け漏れの低減に役立ちます。
  • 個別の判断が必要な場合は、税理士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。まずは現状把握として、当サイトの無料診断もご利用いただけます。

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経理コンパス編集部

業務系SaaS(会計・勤怠・CRM)の利用・導入支援の経験/不動産業界での実務経験

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