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年末調整のやり方|対象者・必要書類・手順をわかりやすく解説

更新:2026年7月17日6分で読めます給与計算ソフト

毎年11月から12月にかけて、経理・総務のご担当者が向き合うのが「年末調整」です。提出書類が多く、計算も細かいため、初めて担当する方にとっては負担の大きい業務といえます。この記事では、年末調整の基本的な意味から、対象になる人・ならない人の考え方、必要書類、実務の手順、そしてソフトを使った効率化までを、できるだけ平易にまとめました。全体像をつかむための地図として、ご活用いただければと思います。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務・労務に関する助言ではありません。控除額・適用要件・提出期限などの具体的な数値や取り扱いは改正される場合があります。最新かつ正確な情報は必ず国税庁の公表内容でご確認のうえ、判断に迷う場合は税理士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

年末調整とは何か

年末調整とは、会社が従業員の毎月の給与から天引き(源泉徴収)していた所得税の合計額と、その年に本来納めるべき所得税額との差額を、年末に精算する手続きのことです。

源泉徴収とは、給与や報酬を支払う側が、あらかじめ所得税を差し引いて国に納める仕組みを指します。毎月の天引き額は概算で計算されているため、1年間の合計では実際の税額とずれが生じます。このずれを年末にまとめて調整するのが、年末調整の役割です。

精算の結果、納めすぎていた場合は従業員に還付(払い戻し)され、不足していた場合は追加で徴収されます。多くのケースでは還付になることが一般的とされていますが、扶養家族の状況などによっては追加徴収になることもあります。

なぜ年末調整が必要なのか

毎月の源泉徴収はあくまで概算であり、1年間に起きた変化を反映しきれていません。たとえば、生命保険料の支払いや扶養家族の増減、住宅ローンの利用などは、毎月の天引き額には織り込まれていないことが多いためです。

これらの事情を年末にまとめて反映し、正しい税額を確定させることで、従業員一人ひとりが自分で確定申告をしなくても税の精算が完了します。会社が年末調整を行うことは、従業員の手続き負担を大きく減らす意味も持っています。

会社側にとっては、源泉徴収義務者として法律で定められた手続きでもあります。適切に行わないと、従業員の税額が正しく精算されないだけでなく、会社側の事務にも影響します。

対象になる人・ならない人

年末調整の中心となるのは、年末時点でその会社に在籍し、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している従業員です。一方で、年収が一定額を超える方や、複数の会社から給与を受けている方などは、年末調整だけでは精算が完結せず、確定申告が必要になる場合があります。

下表は、おおまかな考え方を整理したものです。実際の判定は個々の状況によって異なるため、判断に迷う場合は専門家への確認をおすすめします。

区分おおまかな対象イメージ
年末調整の対象になりやすい人年末時点で在籍し、申告書を提出している正社員・パート・アルバイト
年の途中で対象になる人死亡退職や一定の事情による退職など、定められた要件に当てはまる人
対象にならない・確定申告が必要な人給与収入が一定額を超える人、複数勤務先がある人、副業所得が一定以上ある人

上記はあくまで一般的な傾向です。具体的な金額基準や例外は改正されることがあるため、最新の要件は国税庁で必ずご確認ください。

なお、「自分は年末調整の対象になるのか分からない」というご相談は、従業員からも多く寄せられます。当サイトでは、状況をいくつか選ぶだけで進め方の目安が分かる無料診断をご用意していますので、社内案内の補助としてもお役立ていただけます。

必要書類の一覧

年末調整では、従業員から複数の申告書と控除を証明する書類を回収します。書類ごとに目的が異なるため、何のための書類かを押さえておくと、回収・確認がスムーズになります。

書類名主な目的
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書扶養している家族の状況を申告し、扶養控除などの基礎となる
給与所得者の保険料控除申告書生命保険料・地震保険料・社会保険料などの控除を申告する
基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書基礎控除や配偶者(特別)控除などを申告する
各種控除証明書(保険会社等が発行)申告内容を裏付ける添付書類として提出する
住宅借入金等特別控除関係の書類住宅ローン控除を受ける場合に必要となる(適用要件あり)

書類の名称や様式は年度によって変わることがあります。配布前に、その年の正式な様式を国税庁の情報で確認しておくと安心です。

実務の手順と流れ

年末調整は、おおむね次の流れで進みます。各ステップで確認すべき点を意識すると、差し戻しや再計算を減らせます。

ステップ内容
1. 書類の回収従業員へ申告書を配布し、控除証明書とあわせて回収・記入内容を確認する
2. 控除額の計算扶養控除・保険料控除・配偶者控除などの各控除額を集計する
3. 年税額の確定1年間の給与総額から所得税額(年税額)を計算して確定させる
4. 過不足の精算源泉徴収済みの税額と年税額を比較し、還付または追加徴収を行う
5. 帳票の作成・提出源泉徴収票や法定調書を作成し、定められた提出先・期限に従って提出する

提出期限や提出先は、書類の種類によって異なります。スケジュールに余裕を持たせ、回収の締め切りを早めに設定しておくことが、年末の繁忙期を乗り切るコツといえます。

法定調書とは、給与などの支払い内容を税務署へ報告するための書類の総称です。源泉徴収票はそのうちの一つで、従業員本人にも交付します。これらの様式や提出方法も変わることがあるため、最新の取り扱いは国税庁でご確認ください。

給与・労務ソフトによる効率化

近年は、年末調整の多くの工程を電子化・自動化できる給与計算・労務管理ソフトが広く使われています。代表的なものに「freee人事労務」や「マネーフォワード クラウド給与」があり、申告書の収集から計算、帳票作成までを一つの流れで扱える点が特徴です。

たとえば、従業員がスマートフォンやパソコンの画面上で質問に答える形式で申告内容を入力でき、紙の配布・回収を減らせます。入力されたデータをもとに控除額や年税額の計算を補助し、源泉徴収票などの帳票作成までつなげられる仕組みが提供されています。

観点期待できること
書類の回収紙の配布・回収を減らし、オンラインで入力・提出を受け付けられる
計算入力データをもとに控除額などの計算を補助し、転記の手間を減らせる
帳票作成源泉徴収票や法定調書の作成・出力を一連の流れで行える
進捗管理従業員ごとの提出状況を一覧で把握しやすくなる

ただし、ソフトを導入すれば確認作業がすべて不要になるわけではありません。入力内容の最終チェックや、自社に合った設定の判断は引き続き必要です。導入を検討する際は、無料プランや試用期間で操作感を確かめると、自社に合うかどうかを見極めやすくなります。

どのソフトが自社に向いているか迷う場合は、当サイトの無料診断もご活用ください。従業員数や現在の運用方法などをもとに、検討の出発点となる選択肢を整理できます。

まとめ

  • 年末調整は、毎月源泉徴収した所得税の過不足を年末に精算する手続きで、会社の源泉徴収義務に基づくものです。
  • 対象は年末時点で在籍し申告書を提出した従業員が中心ですが、年収が一定以上の方などは確定申告が必要になる場合があります。
  • 必要書類は扶養控除等申告書・保険料控除申告書・基礎控除/配偶者控除等申告書と各種控除証明書が基本です。
  • 手順は「書類回収→控除額計算→年税額の確定→過不足の精算→帳票の作成・提出」という流れで進みます。
  • freee人事労務やマネーフォワード クラウド給与などを使うと、回収・計算・帳票作成を電子化・自動化しやすくなります。
  • 控除額・要件・期限の具体的な数値は変わることがあるため、最新情報は必ず国税庁で確認し、個別判断は税理士・社会保険労務士へご相談ください。

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経理コンパス編集部

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