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電子請求書発行とは|やり方・義務化の有無とインボイス対応を解説

更新:2026年6月17日9分で読めます請求書発行ソフト

請求書を紙で発行している中小企業の経理担当者にとって、毎月の印刷・封入・郵送作業は地味ながら時間とコストのかかる業務です。結論から申し上げると、請求書の電子化(発行側)は、コスト削減と業務効率化の両面で大きな効果が期待できます。なぜなら、印刷や郵送にかかる手間と費用をまとめて削減でき、インボイス制度や電子帳簿保存法といった近年の制度変更にも対応しやすくなるからです。本記事では、発行側の視点で電子化の進め方とメリットを整理します。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、税務・法務上の助言ではありません。インボイス制度や電子帳簿保存法の具体的な要件・数値・適用条件は改正されることがあります。実際の対応にあたっては、必ず国税庁の公式情報や顧問税理士にご確認ください。

請求書を電子化する3つのメリット

請求書の電子発行とは、紙ではなくPDFやWeb上のデータとして請求書を作成し、取引先へ届ける方法を指します。最大のメリットは、コストと作業時間の削減です。理由は、紙の請求書に付随する一連の手作業がなくなるためです。

具体的には、次の3点が代表的なメリットです。第一に、印刷代・封筒代・切手代といった直接コストが削減できます。第二に、宛名印刷や封入、投函といった送付作業を自動化でき、担当者の負担が軽くなります。第三に、発行した請求書をデータのまま保管できるため、ファイリングや保管スペースの問題が解消します。

項目紙の請求書電子の請求書
印刷・用紙コスト発行件数に応じて発生原則不要
封入・郵送作業手作業または外注自動送信が可能
郵送費(切手代)1通ごとに発生不要(メール・ポータル送付)
届くまでの日数数日かかる即時〜当日
保管方法控えを紙またはスキャンで保存データのまま保存

このように、件数が多いほど削減効果は大きくなります。まずは自社の月間発行件数と、そこにかかっている時間を把握することが第一歩です。

インボイス制度と電子帳簿保存法への対応

電子化を進めるうえで避けて通れないのが、インボイス制度と電子帳簿保存法(電帳法)への対応です。先に結論を述べると、電子で発行する場合もこれらの制度要件を満たす必要があります。理由は、形式が紙からデータに変わっても、請求書としての法的な役割は変わらないからです。

インボイス制度とは、適格請求書(インボイス:一定の記載要件を満たした請求書)を用いて消費税の仕入税額控除を受けるしくみです。適格請求書には、登録番号、適用税率、税率ごとに区分した消費税額などの記載が求められます。電子で発行する場合も、これらの記載項目を満たすことが前提となります。記載要件の詳細は変更される可能性があるため、国税庁の公式情報でご確認ください。

電子帳簿保存法とは、帳簿や書類を電子データで保存する際のルールを定めた法律です。注意したいのは、自社がメールやデータで請求書を「送った」場合、その控えは電子取引のデータとして保存対象になる点です。つまり、電子で送れば紙に印刷して保管すればよいわけではなく、データのまま一定の要件で保存する必要があります。

制度発行側の主な関係確認すべきポイント
インボイス制度適格請求書の記載要件を満たす登録番号・税率・税額の記載
電子帳簿保存法電子で送った請求書の控えの保存データ保存の方法・要件

これらの要件はサービス側で対応をうたっているものも多いですが、最終的な適合性は自社で確認する姿勢が大切です。判断に迷う場合は税理士へ相談しましょう。

発行件数で変わる、向いているサービスの選び方

電子化のツール選びでは、自社の発行件数に合った方式を選ぶことが重要です。なぜなら、少量と大量では適したしくみが異なり、ミスマッチだとかえって手間が増えるからです。

発行件数が少ない、あるいは請求書の作成自体から効率化したい場合は、クラウド請求書作成サービスが向いています。クラウド請求書作成サービスとは、Web上で請求書を作成・送付・管理できるツールです。代表的なものに、Misoca、INVOY、freee会計の請求機能などがあります。会計ソフトと連携できるものを選ぶと、計上作業まで一連で進められます。

一方、発行件数が多い、あるいは販売管理システムから出力したデータをまとめて送りたい場合は、帳票発行・送付自動化サービスが適しています。これは、既存システムのデータを取り込み、請求書の発行から送付までを自動化するしくみで、楽楽明細などが知られています。大量処理や差し込み送付に強いのが特徴です。

タイプ向いているケースサービス例
クラウド請求書作成月間件数が少ない/作成から効率化したいMisoca、INVOY、freee会計(請求機能)
帳票発行・送付自動化月間件数が多い/既存データを一括送付したい楽楽明細

どちらが自社に合うか判断しづらい場合は、当サイトの無料診断もご活用ください。いくつかの質問に答えるだけで、件数や運用に合った方向性の目安をつかんでいただけます。

取引先への配慮を忘れない

電子化を成功させるには、取引先への配慮が欠かせません。理由は、請求書は相手があってこそ成立する書類であり、一方的な切り替えはトラブルのもとになるからです。

具体的には、事前に受け取り方法を取引先と合意しておくことが大切です。送付手段には、PDFをメールに添付する方法と、専用ポータル(Web上の受け渡しページ)にアクセスして受け取ってもらう方法があります。メールは手軽な一方、相手の受信環境やセキュリティ方針によっては敬遠されることもあります。ポータル方式は管理しやすい反面、相手にログインの手間をかける点に留意が必要です。

切り替え時は、移行のお知らせを送り、当面は紙との併用を認めるなど、段階的に進めると相手も安心です。相手先の経理体制を尊重する姿勢が、結果的にスムーズな移行につながります。

電子請求書発行とは?やり方と紙との違い

電子請求書発行とは、紙に印刷して郵送するのではなく、請求書をPDFやWeb上のデータとして作成し、取引先へ電子的に届ける方法を指します。検索では「電子請求書」「電子請求書発行」という名詞で探す方も多いですが、これらはいずれも同じ取り組みを指す言葉だと考えてよいでしょう。

発行のやり方は、大きく次の2つに分けられます。第一に、WordやExcel、あるいは一度作成した請求書をPDF化し、メールに添付して送る方法です。手軽に始められる反面、宛先の取り違えによる誤送信や、送った控えの保存漏れといったリスクが残ります。第二に、クラウドの請求書作成・発行システムを使う方法です。作成から送付、控えの電子保存までを一連で行え、送付の自動化やインボイス制度の記載要件への対応もしやすくなります。

紙の請求書との主な違いは、届くまでの速さと保管方法にあります。紙は印刷・封入・投函を経て数日かけて届きますが、電子なら即時〜当日に届けられます。また、紙の控えはファイリングやスキャンで保管するのに対し、電子請求書はデータのまま保存できるため、保管スペースの問題が解消します。少量から始めて作成自体も効率化したい場合は、クラウドで請求書を作成・発行できるMisocaのようなサービスから検討すると、無理なく移行を進めやすいでしょう。

受領側との違いとデジタルインボイス(Peppol)の基礎

電子請求書を考えるうえで混同しやすいのが、「発行側」と「受領側」の立場の違い、そして「電子請求書」と「デジタルインボイス」の違いです。先に整理しておくと、立場と用語を切り分けて理解しておくと、自社が何に対応すべきかが見えやすくなります。

まず立場の違いです。発行側は、適格請求書の記載要件を満たして請求書を発行し、メール等で送った控えを電子で保存することが中心になります。一方の受領側は、受け取った電子請求書を電子帳簿保存法に沿って保存し、内容を確認・会計処理することが中心です。本記事は発行側の進め方を扱っていますが、取引先は受領側としての対応を行っている、という関係を押さえておくとやり取りがスムーズになります。

次に用語の違いです。PDFをメールで送る電子請求書は、人が内容を読んで処理することを前提としています。これに対しデジタルインボイス(Peppolという国際的な標準規格を用いるしくみ)は、請求データの形式そのものを標準化し、売り手のシステムから買い手のシステムへデータが直接届くため、受領側の手入力を大幅に減らせるのが特徴です。現時点ですべての企業に導入が求められるものではありませんが、今後の業務効率化の方向性として知っておくと、サービス選びの判断材料になります。

観点電子請求書(PDF・メール送付など)デジタルインボイス(Peppol)
データの形式人が読む前提のPDF等標準化されたデータ
受領側の処理確認や手入力が必要なことも手入力を減らせる
主な利用イメージまず始めやすい今後の効率化の方向性

細かな要件や対応状況は変わる可能性があるため、導入を検討する際は各サービスの公式情報をご確認ください。

よくある質問(電子請求書の発行)

電子請求書の発行は義務化されているのですか。

請求書を電子で発行すること自体が、すべての企業に義務づけられているわけではありません。義務化されているのは「電子データで受け取った請求書を電子のまま保存すること」(電子帳簿保存法の電子取引データ保存)であり、発行方法を紙にするか電子にするかは各社の判断に委ねられています。ただし、自社がメールやデータで請求書を送った場合、その控えは電子取引データとして保存対象になる点には注意が必要です。最新の取り扱いは国税庁の公式情報でご確認ください。

電子請求書と紙の請求書では、法的な効力に違いはありますか。

請求書はe-文書法や電子帳簿保存法によって電子化が認められている書類のため、電子で発行しても紙と同じように扱えます。適格請求書(インボイス)の記載要件(登録番号、適用税率、税率ごとの消費税額など)を満たしていれば、形式が電子であることだけを理由に効力が下がることはありません。要件の詳細は改正される場合があるため、公式情報や税理士にご確認ください。

電子請求書に押印(電子印鑑)は必要ですか。

請求書への押印は法律上の義務ではなく、電子請求書でも押印なしで発行できます。慣習や取引先の求めに応じて押印したい場合は、PDFに画像を貼り付ける電子印鑑や、サービス側の押印機能を使う方法があります。ただし、無料で手軽に作れる画像の電子印鑑は本人性や改ざん防止の証明が弱いとされるため、対外的な重要書類では運用ルールを決めて使うことが望まれます。

電子請求書の発行側と受領側では、対応する内容が違うのですか。

はい、立場によって関心事が異なります。発行側は「適格請求書の記載要件を満たして発行し、送った控えを電子で保存すること」が中心です。一方の受領側は「受け取った電子請求書を電子帳簿保存法に沿って保存し、内容を確認・処理すること」が中心になります。本記事は発行側の進め方を扱っています。受け取り側の保存ルールは別途、受領側向けの解説をあわせてご確認ください。

PDFをメールで送るのと、請求書発行システムを使うのはどちらがよいですか。

少量であればWordやExcelで作成した請求書をPDFにしてメール添付する方法でも始められますが、誤送信や控えの保存漏れといったリスクが残ります。発行件数が増えてきたら、送付の自動化や控えの電子保存に対応した請求書発行システムを使うと、抜け漏れやヒューマンエラーを抑えやすくなります。自社の月間発行件数を目安に選ぶとよいでしょう。

まとめ

  • 請求書の電子発行は、印刷・封入・郵送コストの削減、送付の自動化、保管の電子化といったメリットがあり、発行件数が多いほど効果が大きくなります。
  • 電子で発行する場合もインボイス制度(適格請求書の記載要件)への対応が必要で、メール等で送った請求書の控えは電子帳簿保存法の保存対象になります。
  • 制度の具体的な要件や数値は改正される場合があるため、国税庁の公式情報や顧問税理士に必ず確認しましょう。
  • 少量ならクラウド請求書作成(Misoca、INVOY、freee会計の請求機能など)、大量なら帳票発行・送付自動化(楽楽明細など)が向いています。
  • 取引先とは受け取り方法(メール送付か専用ポータルか)を事前に合意し、段階的に移行することが円滑な切り替えのコツです。

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経理コンパス編集部

業務系SaaS(会計・勤怠・CRM)の利用・導入支援の経験/不動産業界での実務経験

中小企業の経理・バックオフィス担当者が、本当に自社に合うクラウドソフトを選べるように。公式情報と実際の使用感、そして制度(インボイス・電子帳簿保存法)への対応状況を、できるだけ中立に整理して発信しています。

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