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請求書の電子化(発行側)の進め方|コスト削減とインボイス対応

更新:2026年6月17日5分で読めます請求書発行ソフト

請求書を紙で発行している中小企業の経理担当者にとって、毎月の印刷・封入・郵送作業は地味ながら時間とコストのかかる業務です。結論から申し上げると、請求書の電子化(発行側)は、コスト削減と業務効率化の両面で大きな効果が期待できます。なぜなら、印刷や郵送にかかる手間と費用をまとめて削減でき、インボイス制度や電子帳簿保存法といった近年の制度変更にも対応しやすくなるからです。本記事では、発行側の視点で電子化の進め方とメリットを整理します。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、税務・法務上の助言ではありません。インボイス制度や電子帳簿保存法の具体的な要件・数値・適用条件は改正されることがあります。実際の対応にあたっては、必ず国税庁の公式情報や顧問税理士にご確認ください。

請求書を電子化する3つのメリット

請求書の電子発行とは、紙ではなくPDFやWeb上のデータとして請求書を作成し、取引先へ届ける方法を指します。最大のメリットは、コストと作業時間の削減です。理由は、紙の請求書に付随する一連の手作業がなくなるためです。

具体的には、次の3点が代表的なメリットです。第一に、印刷代・封筒代・切手代といった直接コストが削減できます。第二に、宛名印刷や封入、投函といった送付作業を自動化でき、担当者の負担が軽くなります。第三に、発行した請求書をデータのまま保管できるため、ファイリングや保管スペースの問題が解消します。

項目紙の請求書電子の請求書
印刷・用紙コスト発行件数に応じて発生原則不要
封入・郵送作業手作業または外注自動送信が可能
郵送費(切手代)1通ごとに発生不要(メール・ポータル送付)
届くまでの日数数日かかる即時〜当日
保管方法控えを紙またはスキャンで保存データのまま保存

このように、件数が多いほど削減効果は大きくなります。まずは自社の月間発行件数と、そこにかかっている時間を把握することが第一歩です。

インボイス制度と電子帳簿保存法への対応

電子化を進めるうえで避けて通れないのが、インボイス制度と電子帳簿保存法(電帳法)への対応です。先に結論を述べると、電子で発行する場合もこれらの制度要件を満たす必要があります。理由は、形式が紙からデータに変わっても、請求書としての法的な役割は変わらないからです。

インボイス制度とは、適格請求書(インボイス:一定の記載要件を満たした請求書)を用いて消費税の仕入税額控除を受けるしくみです。適格請求書には、登録番号、適用税率、税率ごとに区分した消費税額などの記載が求められます。電子で発行する場合も、これらの記載項目を満たすことが前提となります。記載要件の詳細は変更される可能性があるため、国税庁の公式情報でご確認ください。

電子帳簿保存法とは、帳簿や書類を電子データで保存する際のルールを定めた法律です。注意したいのは、自社がメールやデータで請求書を「送った」場合、その控えは電子取引のデータとして保存対象になる点です。つまり、電子で送れば紙に印刷して保管すればよいわけではなく、データのまま一定の要件で保存する必要があります。

制度発行側の主な関係確認すべきポイント
インボイス制度適格請求書の記載要件を満たす登録番号・税率・税額の記載
電子帳簿保存法電子で送った請求書の控えの保存データ保存の方法・要件

これらの要件はサービス側で対応をうたっているものも多いですが、最終的な適合性は自社で確認する姿勢が大切です。判断に迷う場合は税理士へ相談しましょう。

発行件数で変わる、向いているサービスの選び方

電子化のツール選びでは、自社の発行件数に合った方式を選ぶことが重要です。なぜなら、少量と大量では適したしくみが異なり、ミスマッチだとかえって手間が増えるからです。

発行件数が少ない、あるいは請求書の作成自体から効率化したい場合は、クラウド請求書作成サービスが向いています。クラウド請求書作成サービスとは、Web上で請求書を作成・送付・管理できるツールです。代表的なものに、Misoca、INVOY、freee会計の請求機能などがあります。会計ソフトと連携できるものを選ぶと、計上作業まで一連で進められます。

一方、発行件数が多い、あるいは販売管理システムから出力したデータをまとめて送りたい場合は、帳票発行・送付自動化サービスが適しています。これは、既存システムのデータを取り込み、請求書の発行から送付までを自動化するしくみで、楽楽明細などが知られています。大量処理や差し込み送付に強いのが特徴です。

タイプ向いているケースサービス例
クラウド請求書作成月間件数が少ない/作成から効率化したいMisoca、INVOY、freee会計(請求機能)
帳票発行・送付自動化月間件数が多い/既存データを一括送付したい楽楽明細

どちらが自社に合うか判断しづらい場合は、当サイトの無料診断もご活用ください。いくつかの質問に答えるだけで、件数や運用に合った方向性の目安をつかんでいただけます。

取引先への配慮を忘れない

電子化を成功させるには、取引先への配慮が欠かせません。理由は、請求書は相手があってこそ成立する書類であり、一方的な切り替えはトラブルのもとになるからです。

具体的には、事前に受け取り方法を取引先と合意しておくことが大切です。送付手段には、PDFをメールに添付する方法と、専用ポータル(Web上の受け渡しページ)にアクセスして受け取ってもらう方法があります。メールは手軽な一方、相手の受信環境やセキュリティ方針によっては敬遠されることもあります。ポータル方式は管理しやすい反面、相手にログインの手間をかける点に留意が必要です。

切り替え時は、移行のお知らせを送り、当面は紙との併用を認めるなど、段階的に進めると相手も安心です。相手先の経理体制を尊重する姿勢が、結果的にスムーズな移行につながります。

まとめ

  • 請求書の電子発行は、印刷・封入・郵送コストの削減、送付の自動化、保管の電子化といったメリットがあり、発行件数が多いほど効果が大きくなります。
  • 電子で発行する場合もインボイス制度(適格請求書の記載要件)への対応が必要で、メール等で送った請求書の控えは電子帳簿保存法の保存対象になります。
  • 制度の具体的な要件や数値は改正される場合があるため、国税庁の公式情報や顧問税理士に必ず確認しましょう。
  • 少量ならクラウド請求書作成(Misoca、INVOY、freee会計の請求機能など)、大量なら帳票発行・送付自動化(楽楽明細など)が向いています。
  • 取引先とは受け取り方法(メール送付か専用ポータルか)を事前に合意し、段階的に移行することが円滑な切り替えのコツです。

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経理コンパス編集部

業務系SaaS(会計・勤怠・CRM)の利用・導入支援の経験/不動産業界での実務経験

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